群馬県の関越自動車道で昨年4月、乗客45人が死傷した高速ツアーバス事故をを受けて、今年8月に新制度が導入されるのに伴い、事業者の半数以上が高速バスから撤退する見通しだ。安全基準をクリアするのに必要な費用負担が重く、売り物だった低価格が保てなくなったためだ。何とか運行を続ける事業者も、値上げや減便を検討、格安ツアーバスは消滅する。「運行継続にコストがかかる。正直厳しい」。新制度スタートを控え、あるバス会社の担当者はため息をついた。撤退相次ぐ 格安航空会社(LCC)の台頭という逆風も吹いている。成田空港と関西国際空港を片道最低3千円程度で結ぶ便もあり「価格で勝負するのは難しくなってきた」という。 関西では、へいあんバス(京都府京田辺市)が昨夏に高速ツアーバスの運行を中止。商都交通(大阪市)も撤退する方針だという。 高速ツアーバスは、平成12年の規制緩和以降、新規参入が相次いだ。景気低迷で節約志