昨年、刊行されるや話題となっていた『記号と再帰 - 記号論の形式・プログラムの必然』を、ずっと読みたいと思ってはいたもののとりかかれないでいたのですが、先日書店をぶらぶらしている時に、なんとなく気が向いたので、購入して読んでみました。 記号と再帰: 記号論の形式・プログラムの必然 作者: 田中久美子出版社/メーカー: 東京大学出版会発売日: 2010/06/23メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 195回この商品を含むブログ (25件) を見る 記号論とは、何らかを指し示す記号、その対象、それらが織りなす系(具体的には人間の使用する言語など)の性質について体系的に解き明かそうという営みである。大きく分けて、ソシュールを代表とする二元論、パースを代表とする三元論とがあり、両者を対比する試みはあるものの、記号論の学的な基礎理論さえ確立されていない状況にあるというのが本書の前提。 「シニ