経営再建中のシャープが、3月26日に期限を迎える台湾・鴻海(ホンハイ)精密工業との出資交渉をいったん打ち切る方針を固めたことが22日、分かった。シャープの業績悪化による株価低迷や、中小型液晶分野での協業を巡る意見の不一致などから、期限内に交渉をまとめるのは難しいと判断した。 資本提携を打診している他の有力企業との協議を優先する。鴻海との交渉を再開するかは未定。 両社は昨年3月、鴻海がシャープ株を1株550円で買い取り、計約669億円出資する資本提携で合意したが、業績悪化でシャープの株価が急落し、買い取り価格の見直し協議を余儀なくされた。 価格以外でも、シャープが経営再建の柱に位置付ける中小型液晶パネルの分野でも協業したい鴻海と、拒否するシャープで意見が対立。最大顧客の米アップルがスマートフォン(多機能携帯電話)「iPhone(アイフォーン)5」を減産するなど、鴻海の経営環境に陰りが見