2002年3月、漢字文献情報処理研究会メールマガジンに「これがあれを滅ぼすだろう」というコラムを書いたことがある(http://www.jaet.gr.jp/mag/005.txt)。ちょっと長いが全文(一部改変)引用してみよう。 「いやはや、あなた、世も終わりですな。学生どものあんならんちき騒ぎは、生まれてこのかた見たこともありませんよ。近ごろのろくでもない発明とやらが、何もかもだいなしにしちまうんですよ。大砲だの、セルパンチーヌ砲だの、臼砲だの、とりわけドイツからはやりだしたあのやっかいな印刷術だの。もう写本もいらん、本もいらん! てわけです。印刷術は本屋殺しですよ。いよいよ世も終わりですなあ」 冒頭から引用で恐縮ですが、これはヴィクトル・ユゴーの小説『ノートル=ダム・ド・パリ』 で登場人物たちによって交わされる会話の一部です(『ノートル=ダム・ド・パリ (ヴィクトル・ユゴー文学館)』