気になる記事をスクラップできます。保存した記事は、マイページでスマホ、タブレットからでもご確認頂けます。※会員限定 無料会員登録 詳細 | ログイン (前回「うまい魚が、食卓でなく、海に流れる」から読む) 「今日は『ガンギエイ』が入ってないんですよ。海の都合があるもんで、すみません」 料理人・平原成二の言葉に少し落胆する客を眺めながら、これこそが日本料理店「味彩せいじ」(東京都港区)だと納得してしまう。 千葉県で揚がるというガンギエイは、地元の人にはおいしいと評判の白身魚だ。煮付けやから揚げにすると、脂が乗ってもっちりとした身に、淡泊な旨みがぎゅっと封じ込められる。 もっとも一般には知名度が低いため、築地の魚市場などでは扱われておらず、漁師もあえて獲ろうとしない。たまたま網に引っかかることがある――。 そんなガンギエイだが、1度食べたら、その味は忘れることができない。その日に揚がった魚介類