井上理 日経ビジネス記者 1999年慶応義塾大学総合政策学部卒業、日経BPに入社。以来、ネット革命などIT業界やゲーム業界の動向を中心に取材。日本経済新聞への出向を経て2014年4月より日経ビジネスの電機・ITグループ この著者の記事を見る
私たちのチームは、1983年の11月に企業内同好会としてスタートし、今年で30周年を迎える。「企業の寿命は30年」という言葉もあるが、ここまで良く続いてきたと思う。 1988年に同好会から実業団チームとなり、2002年にクラブチーム化、2003年に現在のオービックシーガルズとなってこれまで、社会人優勝7回、日本選手権優勝6回。Xリーグでの勝率は8割3分7厘。この戦績は、関わった選手・スタッフのべ3000人、支援し観戦くださった方々100万人以上の手で積み重ねてきたもの。今回は、私たちがこの30年間、大切にしてきたこと、チームの原点のようなものに触れてみたい。 同好会から実業団スポーツ(今や懐かしい響きでもあるが)に格上げしようと動いていた1990年頃、本格的なチーム強化の一貫として、それまでの我流ではなく、強豪チームで経験を積んだ方にヘッドコーチをお願いしようということになった。相手は、京
旧石器時代のホモ・サピエンスについて人類学と考古学が一緒になって研究するというのは、言われてみれば当たり前のことだ。人間は生物であるけれど、文化的な存在である。両方のアプローチから攻めるのが正当であろう。 そして、実際、欧米ではごく普通の光景だそうだ。例えば同じ学術雑誌に両方の論文が掲載される。しかし、アジア、もちろん日本では、そうなっていない。ぼくが、ふと思ったのは、大学に入る時の「入り口」の問題。人類学は理系で、考古学は文系という括りがなんとなくできていて、いわゆる文理の壁が隔てているという構図だ。 「それは大きいと思います」と海部さん。「僕も今思い起こすと、大学時代に考古学を学ぶチャンスってなかったんですよね。今になって学び出して、すごい面白いじゃんって思いながらやってます。勉強するのも楽しいし、一緒に仕事するのも楽しい。あと、日本の事情として、特に旧石器時代で言えば、主要四島から人
本連載では、米国ビジネススクールで助教授を務める筆者が、海外の経営学の先端事情を紹介して行きます。 さて、私は昨年『世界の経営学者はいま何を考えているのか(以下、「世界の~」)』という本を上梓したのですが、その中で「『ハーバード・ビジネス・レビュー(以下、HBR)』は、米国の経営学では学術誌とは認められていない」と書いたところ、大変な反響がありました。 これは事実です。HBRは海外の経営学を知る窓口として、日本でもビジネスパーソンの方によく知られています。しかし米国の経営学者のあいだでは、同誌は経営学の「学術誌」とは認識されていません。 たとえば、米国の上位ビジネススクールにいる教授(=経営学者)たちは、評価の高い経営学の学術誌に論文を掲載しないと出世できないのですが、HBRはその基準に含まれていません。 私の様な若手が「HBRに論文を投稿したい」と言ったら、ベテラン教授から「そんな業績に
太田さんの著作『森林飽和』を読ませていただきました。「飽和」というほど、日本には森林があふれているのでしょうか。 太田:はい。幹の体積の総和を森林の蓄積といいますが、日本は過去50年間ぐらい増え続け、3倍ぐらいになっています。人工林は4~5倍に増えていて、自然林もどんどん成長しています。『森林・林業白書』に毎年、グラフとともに出ているのに、誰も触れてこなかった。不思議です。 経済成長で森林以外の土地利用はどんどん変化しています。都市に住んでいると、宅地や工場が増え、緑がどんどん減っている。一方、山に行っても、木は徐々に大きくなっていくから、あまり増えているとは思わない。それで、森林は減っている、だから植えなければいけないという先入観が出来てしまっているのでしょう。 しかし、実は山の斜面で木はどんどん増えている。日本の森林というのは非常に豊かです。それで「森林飽和」というタイトルをつけて、「
ライフネット生命保険が営業を開始して約1年が過ぎた2009年夏のことです。20代の社員に突然こう言われました。「出口さん、この日、1時間ほど時間を空けておいてください」。いったい何の用だろう。と思いつつ、私は、「いいですよ」と答えました。 前日、私は彼に聞きました。 「明日、時間は取ってあるけど、何をするんだっけ」 その若い社員はこう言いました。 「インターネットでのPR企画のため、二子玉川へ行って、多摩川の河川敷に降りてください」 「でえ、何をするんだい?」 「まずですね。今回の企画を考えてくれたウェブマガジン、デイリーポータルZのウェブマスター林雄司さんが、死亡保険に加入しよう、と河川敷に待ち受けています」 デイリーポータルZ? 何だ、それ? ヒーローロボット? 「それで、ですね。この林さんが、3枚の紙皿にそれぞれ、1,000万円、2,000万円、3,000万円と、死亡時の受取金額を書
英語圏が中心だったSNS(ソーシャル・ネットワーク・サービス)のフェイスブックが、日本にも徐々に広がりつつある。同社の創業経緯をもとにした映画「ソーシャル・ネットワーク」が日本でも封切られ、世はすっかり「ソーシャル・ブーム」だ(SNSだけでなく、SNS上で提供されるソーシャル・ゲームやソーシャル・ニュースなども含めたブームを、本稿では「ソーシャル・ブーム」と呼ぶことにする)。 同社は世界中で既に5億人以上の会員を持ち、ネット業界の覇者グーグルを脅かす存在とも言われる。未上場ながら、昨年末から1月14日にかけて、ゴールドマン・サックスとロシアのファンドから合計15億ドル(約1245億円)の資金を調達。フェイスブックの時価総額は500億ドル(約4兆1500億円)に達すると見積もられている(出典はこちら)。 「大した売り上げもないのにこの評価はバブルだ」と大騒ぎの中、1月に同社が財務内容を一部公
気になる記事をスクラップできます。保存した記事は、マイページでスマホ、タブレットからでもご確認頂けます。※会員限定 無料会員登録 詳細 | ログイン Douglas MacMillan(Bloomberg Businessweekスタッフライター、サンフランシスコ) 米国時間2011年1月19日更新「'Gamification': A Growing Business to Invigorate Stale Websites 」 ラジャット・パハリア氏(40歳)は、新しい分野のビジネスコンサルタントだ。同氏は新鮮味を失ったウェブサイトにゲーム性を盛り込み、サイトを活性化させることで毎月の報酬を得ている。サイトの訪問者は特定の課題は--掲載記事にコメントを書き込んだり、友人に電子メールでリンクを送信する--を実行すると、ゲームのプレイヤーのようにポイントや勲章を獲得できる。 パハリア氏率いる
気になる記事をスクラップできます。保存した記事は、マイページでスマホ、タブレットからでもご確認頂けます。※会員限定 無料会員登録 詳細 | ログイン 長い間、政治学者は有権者の投票行動について、実証研究を重ねてきました。誰がどの政党をなぜ支持するかは、政治学でも重要な関心事項です。 ざっくりですが、企業経営者や農林水産業従事者が自民党を、都市部の会社員の多くは民主党を支持しているといった傾向はあります。職業や年収で、色分けができるのかもしれません。 年齢で見ると、お年を召すに従って、自民党支持者が増えていきます。さらに、男女別の観点では、女性はやや自民党支持者と言われています。どうやら、女性にとって民主党は魅力的に映らないようです。 職業、年齢、性別、収入、学歴・・・。様々な変数を使って、政治学者は投票行動の分析にいそしんでいます。 そんな中、新たな変数として進化政治学者が唱えているのが、
海水には77種類の元素が溶存しており、チタンやリチウム、コバルト、バナジウムなどレアメタルも多数存在する。中でもウランは、鉱山ウランの埋蔵量の実に1000倍に匹敵する量が存在すると推定されている。 各国による原子力発電所の開発ラッシュが続く一方で、鉱山ウランの枯渇が危惧される中、約30年前から、海水ウランの捕集技術の研究開発に取り組んでいる機関がある。日本原子力研究開発機構(JAEA)の高崎量子応用研究所だ。 45億トン。これは地球上のすべての海水中に溶存していると推定されるウランの量だ。今後、採掘可能と推定される鉱山ウランの埋蔵量の実に1000倍に匹敵する。ウランは原子力発電所の燃料として使われている。海水中のウランは、世界の原子力発電所で1年間に消費されているウランの約6万倍に相当する計算となる。 ウランだけではない。海水には全元素の約7割に当たる77種類の元素が含まれており、低濃度で
ビジネスパーソンが1日に受け取るメールは、平均90.2通――。著者(平野)が代表取締役を務めるアイ・コミュニケーションが実施した、メールの利用実態調査の結果だ。迷惑メールを除いた平均の受信通数は、66.9通にのぼる。 これほどメールの通数を増やしている原因の一つが、「CC」の多用だ。 CCとは「carbon copy」の略で、メール送信先の指定方法。TO(あて先)が「その人に向けてメールを送っている(返信を期待する)」ことを示すのに対し、CCは「念のため知らせておく」といった意味合いを持つ。 CCが使われる代表的な状況が、自分の仕事の状況を部下が上司に知らせる場合。例えば、取引先とやり取りしているメールのCCに上司を入れておくことで、取引先とどのような交渉が進んでいるのかを上司にも伝えられる。いちいち上司あての報告メールを書かなくても状況を伝えられて便利だ。また、上司にとっても、部下の仕事
気になる記事をスクラップできます。保存した記事は、マイページでスマホ、タブレットからでもご確認頂けます。※会員限定 無料会員登録 詳細 | ログイン すべてのビジネスにとって、スピードが大切だ。 今、特にスピードが求められるのは、環境ビジネスだ。 米国では、環境ビジネスを加速する仕組みが、あちらこちらで活発に機能しているようだ。中でも目を引くのは国立研究所の動きだ。彼らは、国家産業戦略のリーダーシップを取ろうとしている。国立研究所がシンクタンク的な役割を担って、新しい環境ビジネスの開発プラットフォームになったり、環境ビジネスの将来性をきわめて速いスピードで予測している。 カギを握る米国の国立研究所 今年に入ってからは、ある国立研究所が二次電池の再利用プロジェクトを募集し始めた。二次電池の定置利用、つまり、電気エネルギーを貯蔵するビジネスの市場規模と利益予想を示して、民間ビジネスの参入を促そ
ビジネスに革新を起こすデザインの活用法・経営戦略とは? ▼「低コストでも、高い感度のブランドを作れる。」 スマイルズ(スープトックトーキョー)/遠山正道 社長 ▼「店舗デザインの刷新で、出店スピードが一気に加速した。」 ABCクッキングスタジオ/横井啓之 CEO 製品デザインやパッケージ、コミュニケーションなどでデザインを活用することは、会社の顔を決めることと同じです。そこには企業のトップである経営者の判断が欠かせません。 会社の顔を作るデザインに対し、企業経営者はどのように重要性を認識しかかわっているのか。また、デザインへの投資をどのように行っているのか。 企業経営にデザインを積極的に活用している企業経営者から ―「なぜ、デザインに投資しているのか」 ―「デザイン投資へのポイント」 など、「ビジネスに革新を起こす、デザイン活用戦略」をこれまでの実体験をもとに語っていただきます。
2010年9月10日、ミクシィが開催した「mixi meetup 2010」には、3000名もの技術者や経営者たちが押し寄せた。目当てはミクシィが当日発表すると予告していた新プラットフォーム。発表した内容は会員2000万人を超えるSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)「mixi」内で形成されている人間関係を他社へ開放するというものだった。 SNSで形成される人間関係が外に飛び出すとどういう世界が拓けるのか。従来のサービスや製品はどう作り替えられていくのか。 ミクシィの笠原健治社長が狙いを語る。 (聞き手は原 隆=日経ビジネス記者) 笠原 例えば、mixiのソーシャルグラフと連携すれば、携帯電話の電話帳が「ソーシャル電話帳」に変わります。携帯電話の利用者自身が編集した電話帳とmixi内の友人情報がマージされる(1つになる)わけです。mixiのプロフィル情報を取り込むことで、常に最新
主力薬の特許が失効して、直後から後発医薬品が出回り、売り上げが激減する「2010年問題」。国内だけでなく海外の製薬大手の多くもこの問題を克服できず、大手同士の合併による製薬業界の大再編が起きた。 背景には、創薬技術の中心が化学合成による低分子医薬からバイオ医薬へと移り始め、医薬品の研究開発も自社ですべてを手がける形から、バイオベンチャーとの提携を軸とした形にシフトし始めたことがある。 技術革新による従来技術の陳腐化、自前主義の「クローズドイノベーション」から外部との連携による「オープンイノベーション」への転換──。IT(情報技術)産業などで起きたパラダイムシフトが製薬業界にも押し寄せ、その波に欧米の大手さえも乗り遅れたわけだ。 そうした中、1990年に米国のバイオベンチャーに出資するなど、いち早くパラダイムシフトに対応して急成長。今や医療医薬品の売上高で世界3位に躍進したのが、スイスのロシ
「ちょっとゲームやりませんか?」という意味を持つ「ハンゲーム」は180種類以上のゲームを提供するポータルサイトだ。ミクシィ(mixi)、ディー・エヌ・エー(DeNA)、グリーなど、次々に自社のプラットフォームを第三者企業に公開する“オープン化”がSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)業界では流行しており、ハンゲームの運営元、NHN Japanも負けじと2010年7月26日にオープン化を断行。SNS企業に先駆けスマートフォンにもいち早く対応し、プレーヤーの位置情報や利用時間とゲーム内容が連動する「リアゲー」を発表するなど、ゲームを軸に発展してきた同社は独自路線を突き進む。 早くからデジタルアイテム課金を展開してきた同社は今のソーシャルゲームブームをどう見ているのか。NHN Japanの森川亮社長に話を聞いた。 (聞き手は原 隆=日経ビジネス記者) 森川 世界で最初にアイテム課金ビジ
米国・中東・インド・欧州・韓国・中国・日本…。世界中で既に400前後ものスマートシティ実証プロジェクトが始まっています。今回の「スマートシティ国際会議」では、その中でも日本企業の進出のしやすさをポイントに選んだプロジェクトの責任者を東京に招き、各プロジェクトの特徴、規模、必要とされる技術と課題、そして日本企業への期待を語っていただきます。日本にいながら世界のプロジェクトを俯瞰でき、しかもプロジェクトの責任者から直接話が聞けるまたとないチャンスです。 さらに日経BPクリーンテック研究所では、世界17カ国、100拠点のスマートシティ・プロジェクトの活動状況を調査した『世界スマートシティ総覧』を刊行。今回の国際会議への参加と同時に『世界スマートシティ総覧』をご購入いただくと、各プロジェクトの責任者を囲んだ質疑応答と名刺交換会に参加できます。 時間とお金をかけて現地に赴くことなく、しかも、アポイン
国の過疎集落研究会の報告によると、全国には6万2000もの過疎集落が存在している。そのうち、10年以内に2600集落が消滅する可能性があるという。「古老が1人なくなることは図書館が1つ消えること」。アフリカの古い言い伝えにあるように、それぞれの風土に寄り添い、作り上げてきた生活の知恵や文化が消え去ろうとしている。 瀬戸際に立つ辺境。だが、時代に抗い、輝く人々は現実にいる。東京農工大の客員教授、福井隆氏はこういった“辺境で輝く人々”を目の当たりにしてきた。 福井氏は年間250日以上、過疎集落に足を運ぶ「地元学」の実践者。これまで7年間、100カ所以上の現場で地域づくりの支援をしている。「地元学」とは、無い物ねだりではなく、今あるもので何ができるかを考える。そのプロセスを通して地域を元気にしていく学問である。 多くの地域は「ここには何もない」と誇りを失っている。だが、それぞれの足元を見つめ直す
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