6月3日、フィリピン南部ミンダナオ島のマラウィ市で先月から続いている戦闘の発端は、数十名のイスラム主義武装勢力が刑務所を襲撃し、警備員らを降伏させたことだった。写真は5月31日、黒煙が立ち上るマラウィ市のビル(2017年 ロイター/Romeo Ranoco) フィリピン南部ミンダナオ島のマラウィ市で先月から続いている戦闘の発端は、数十名のイスラム主義武装勢力が刑務所を襲撃し、警備員らを降伏させたことだった。 「キリスト教徒を引き渡せ、と彼らは言った」。現地の刑務局の副局長を務めるファリダ・P・アリ氏はその時の様子を語る。「刑務所職員にキリスト教徒は1人しかいなかったため、気づかれないように彼を服役者のなかに紛れ込ませた」 過激派組織「イスラム国(IS)」に忠誠を誓う「マウテグループ」と呼ばれる武装勢力の戦闘員は、警備員を脅しつけ、服役者を怒鳴りつけた。だが、キリスト教徒の職員を引き渡す者は