そもそも「税」は公的サービスの費用を賄うための「社会の会費」と言えますが、嫌なイメージしか湧かない人が多いと思います。 河本光博・主税局調査課長(以下、河本氏):はい。かつてある財務大臣が「税金が嫌いな人には2種類います。それは男と女です」というジョークを講演で仰っていました。当時はまだLGBTQ(性的少数者)の方々への認識が今ほどにはなかった頃ですが、いずれにせよ、「みんな税金が嫌い」という意識があるのは間違いありません。これは世界に共通する傾向ですね。 でも特に日本では、税金は「国が一方的に奪っていくもの」、予算は「国から一方的に降ってくるもの」と分断した捉えられ方をされがちだと思います。税金に対する嫌悪感が強い印象を受けます。 税金として納められたお金はどこかの金庫にためているわけでも、偉い人の懐に入っているわけでもないんですよね。 河本氏:そうなんです。税収は全て、いや近年はそれ以