自民党の甘利明前幹事長は、日本がまだデフレ脱却を宣言できていない中、日本銀行はイールドカーブ・コントロール(長短金利操作、YCC)の柔軟化後も異次元の金融緩和政策を維持する必要があるとの見解を示した。 甘利氏は2日のインタビューで、消費者物価上昇率が持続可能な2%のペースで推移しながら名目賃金の上昇率が3%で安定すれば、日銀は現行政策の枠組みからの出口を描き始めることが可能だと指摘した。同氏は日銀が黒田東彦前総裁の下で異次元の金融緩和政策を導入した際に経済再生担当相を務めていた。 黒田氏を引き継いだ植田和男総裁の下、日銀は7月28日の金融政策決定会合でYCC政策の運用柔軟化を決定。会合後の記者会見で植田総裁は、YCCの柔軟化は政策の正常化へ歩み出す動きではないと説明した。 甘利氏は、デフレからの脱却なしに緩和の出口戦略は描けないとし、「あくまでも物価を超える賃金上昇、これが定着しないとだめ