ブックマーク / www.newsweekjapan.jp (310)

  • ジェフ・ベゾス対イーロン・マスク 宇宙開発をめぐる大富豪の戦いは、ベゾスの負け?

    今年7月、ブルーオリジンの初の有人飛行を終えてポーズを取るベゾス(左から2人目)Joe Skipper-REUTERS <世界長者番付で首位を争うアマゾン創業者ジェフ・ベゾスと、スペースXを率いるイーロン・マスクの戦いは、宇宙開発競争でも激しさを増している。『TechnoKING イーロン・マスク 奇跡を呼び込む光速経営』の著者、竹内一正氏が、宇宙開発をめぐる2人の戦いを分析する> 月着陸船の契約をめぐり対立する大富豪 ベゾスの宇宙開発企業「ブルーオリジン」は、スペースXがNASAから独占受注した月着陸船の契約について、企業選定のプロセスに問題があったと米会計検査院に訴えた。だが、それが退けられると、今年8月に連邦裁判所への提訴に踏み切った。 NASAは月面への有人着陸計画「アルテミス」を進めており、月面と月周回軌道を往復する宇宙船にスペースXの「スターシップ」が今年4月に選ばれた。29億

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  • 国外脱出のチャーター機をタリバンが足止め?──「事実上の人質状態」と米議員

    Taliban Hold Planes Full of Evacuees as Congressman Talks of 'Hostages' <アメリカにタリバン政権を承認させるための人質、との見方もあるが、米国務省にも有効な手段なし> アフガニスタンの実権を掌握したイスラム主義組織タリバンはここ数日、国外脱出を希望する人々を乗せた飛行機の離陸に待ったをかけているらしい。この状況について米政界では「人質を取られている」ようなものだとの声も上がっている。 AP通信は5日、北部マザリシャリフの空港で、少なくとも4機の航空機がはっきりしない理由で足止めされていると伝えた。アフガニスタンの当局者は、数百人の乗客は全てアフガニスタン人で、ビザがなかったりパスポートを持っていない人が多く含まれると述べたという。 だが米下院のマイケル・マコール議員(共和党)は5日、FOXニュースの番組に出演、足止めさ

    国外脱出のチャーター機をタリバンが足止め?──「事実上の人質状態」と米議員
  • ロシア・ベラルーシ合同軍が西側と戦う?

    <9月1日、旧ソ連ベラルーシのルカシェンコ大統領がこう発言した。ベラルーシ軍とロシア軍は「実質的に一つ」だ> ベラルーシ軍とロシア軍は、「実質的に一つ」である──旧ソ連ベラルーシのルカシェンコ大統領は9月1日、こう発言し、仮に西側との戦争が勃発すれば「ベラルーシ軍がまず先頭に立って戦い、すぐにロシア西部軍が加わり共同で防衛する」と表明した。 同国には間もなくロシアから戦闘機やミサイル防空システムなどが供与されるという。 これらの発言は、両国が9月半ばに予定している20万人規模の合同軍事演習に先立つもの。ルカシェンコは、昨年8月に6期目を目指す大統領選で不正を行ったとして国内と西側諸国から猛反発を受けてきた。 国内反対派を弾圧し、アメリカとEUから制裁を科されても、ロシアはルカシェンコを忠実に擁護している。 ルカシェンコは今回の合同軍事演習は西側からの圧力に対する両国共同の努力の一環だと主張

    ロシア・ベラルーシ合同軍が西側と戦う?
  • たとえ菅が辞めようと、臨時国会を開かない自民党には政権を任せられない

    一年前に菅義偉を総裁に選び、守ってきたのは自民党だ(2020年9月14日) Kyodo/REUTERS <自民党は安倍政権のときから国会のチェックを受けることから逃げ続け、憲法の義務である臨時国会を開くことも拒んだ。今日のコロナ感染爆発を招いた責任も問わせないまま総選挙に突入する勢いだ> 7月16日、野党4党は憲法53条に基づく臨時国会召集要求を提出した。しかし一ヶ月半たった今も、国会が開かれる気配はない。政府与党はいろいろな理由をつけて臨時国会を先延ばしにしており、そうこうしているうちに9月3日、菅首相は月末に行われる自民党総裁選への不出馬を決めた。これによって自民党は後継者選びに忙しくなり、総選挙までに臨時国会を開こうとはしないだろう。政治空白とともに、事実上の無法政治が行われている。 立憲主義に反する政権 日国憲法では、次のように規定されている。「内閣は、国会の臨時会の召集を決定す

    たとえ菅が辞めようと、臨時国会を開かない自民党には政権を任せられない
  • イベルメクチンの売り上げが米で24倍に、コロナ治療のつもりが救急治療室が満杯に

    コロナにかかった時のためにイベルメクチンを買ったボリビアの男性(5月19日、ボリビアではコロナ治療薬としての処方が認められている) Rodrigo Urzagasti-REUTERS <アメリカでは家畜用の寄生虫駆除薬であるイベルメクチンをコロナ治療薬として勝手に服用し、具合が悪くなって救急車で運び込まれる患者が急増> 米オクラホマ州郊外のある医師によれば、馬用の寄生虫駆除薬に使われるイベルメクチンを新型コロナウイルス感染症の治療薬として過剰摂取した人々が、地元の病院の救急処置室を埋め尽くしているという。 同州東部と南部の複数の救急処置室に勤務しているジェイソン・マクエリエ医師は、地元テレビ局KFOR-TVに対して、「この薬の服用にあたって医師の処方が必要なのには理由がある。場合によっては危険だからだ」と述べた。 イベルメクチンを服用する人が増えている事態に、米品医薬品局(FDA)をはじ

    イベルメクチンの売り上げが米で24倍に、コロナ治療のつもりが救急治療室が満杯に
  • 独立の祝砲に沸くタリバンに中国はどう向き合うのか?

    米軍が最終撤退した瞬間、タリバンは独立の雄たけびを上げて祝砲を鳴らし続けた。中国の第一報はこの場面と、国連安保理対タリバン決議に対する中露の棄権だった。中国は今後どのようにタリバンと向き合うのか? アフガンの夜空に轟く祝砲を報道した中国 8月31日未明、米軍を載せた最後の一機がカブール空港を飛び立った瞬間、カブール空港はタリバンの管轄下に入り、タリバン軍は勝利の雄たけびを上げた。 曳光弾(えいこうだん)(発光体を内蔵した特殊な弾丸)や機関銃などによる祝砲が夜空に向かって打ち上げられ、それは2時間ほど続いたという。 「20年間に及ぶアメリカの侵略軍から解放され、独立した喜びに沸いています!」と中国の中央テレビ局CCTVは、興奮気味に伝えていた。 中国がタリバンの勝利を我がことのような姿勢で報道するのは、言うまでもないが「侵略軍」と中国が位置付ける軍隊が米軍だからだ。 中国ではこのたびのアフガ

    独立の祝砲に沸くタリバンに中国はどう向き合うのか?
  • アフガン撤退、バイデンの「テロ対処能力ある」に批判が続出する理由

    カブール空港でのテロ攻撃に対し、報復措置を取ると言明したバイデン大統領(8月26日) AL DRAGOBLOOMBERG/GETTY IMAGES <タリバンが全土を制圧し、IS-Kの空港テロも起こった。アフガニスタン国内に軍事・情報拠点を失った今、テロとの戦いは振り出しに戻ったのか。アルカイダが米土を再び攻撃する可能性はあるのか> まるで振り出しに戻った感じだ。8月26日、アフガニスタンの首都カブールの空港周辺で自爆テロがあり、米兵13人を含む170人以上が死亡した。 過激派組織「イスラム国」(IS)傘下のグループ「ISホラサン州(IS-K)」の犯行とされる。 20年間も戦ってきたのに、結局アフガニスタンはイスラム主義勢力タリバンの手に落ちた。そしてアメリカは、2001年9月11日の同時多発テロと変わらぬ不気味な脅威に直面することになった。 いや、そんなに切迫した脅威ではない、今の米

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  • タリバンが撤退米軍の最新鋭兵器を入手...でもアメリカには無問題(パックン)

    <アフガニスタンから米軍が撤退する際に残していった最新鋭の兵器がタリバンの手に渡ったが、思われているほどの惨事でない理由とは> アメリカ史上「最長の戦争」が醜い終末を見せている。米軍がバイデン大統領の命令の下で性急に撤退したことによって、アフガニスタン政府軍は姿を消し、政府は崩壊、首都カブールは陥落してしまった。 同時に、軍の銃、大砲、飛行機などがタリバンの手に渡った。戦闘で活躍したヘリコプター「ブラックホーク」や、夜中に鍵を落としたときに役に立つ暗視装置「ナイトビジョンゴーグル」もだ。 つまり、アメリカのおかげで、「中古車の荷台にマシンガン姿」でおなじみの反政府勢力タリバンが一気に最先端の軍備を手に入れることに成功した。この増強が風刺画ではステロイド注射として表現されている。しかし、希望を捨ててはいけない! 実は思われているほどの大惨事ではないのだ! まず、装備が入手できても、そこまでの

    タリバンが撤退米軍の最新鋭兵器を入手...でもアメリカには無問題(パックン)
  • 米国で進化論支持派がようやく過半数となる......では日本やドイツは?

    <近年、より多くの米国人が進化論を受け入れつつあることが明らかとなった> 米国では、長年、自然科学者チャールズ・ダーウィン博士が提唱した進化論と、旧約聖書の「創世記」に記された「神による天地創造により宇宙や生命が誕生した」とする創造論が対立してきた。しかし近年、より多くの米国人が進化論を受け入れつつあることが明らかとなった。 米ミシガン大学社会調査研究所の研究チームは、1985年から35年にわたって実施されたアメリカ国立科学財団(NSF)の隔年調査を分析。この調査では、米国成人を対象に「『人間は原始的な動物種から進化した』との言説に同意するか」をたずねている。 進化論否定につながる最も強い要因は、宗教的原理主義 2021年8月16日に学術雑誌「パブリック・アンダスタンディング・オブ・サイエンス」で発表された分析結果によると、1985年から2010年までは進化論の支持派と否定派が拮抗し、支持

    米国で進化論支持派がようやく過半数となる......では日本やドイツは?
  • カブール自爆テロ、ISIS-Kとは何者か

    アフガニスタンの山岳地帯でタリバンに対抗する勢力として台頭したISIS(2015年当時の名称はISIL)は、人質の首を切断するなどの暴力で恐れられた Al Jazeera English-YouTube <世界を震え上がらせたあの残忍なISISが戻ってきたのか? 目的は何か?> 8月26日、アフガニスタンの首都カブールの空港付近で2回の爆発があり、米軍の兵士13人とアフガニスタン人少なくとも60人が死亡。米兵18人を含め多数が負傷した。爆発に先立ち複数の国が、過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS、自称イスラム国」系の武装勢力によるテロ攻撃の可能性があると警告していた。 米軍の撤退期限を8月31日に控え、アメリカは自国民やアフガニスタン人協力者などの大規模な国外退避作戦を展開している。こうしたなか起きた今回の爆発について、アントニー・ブリンケン米国務長官は記者団に、「ISIS-K

    カブール自爆テロ、ISIS-Kとは何者か
  • 米軍のバグラム空軍基地放棄がテロを世界に拡散させる

    米軍が撤収した後のパグラム空軍基地を占拠したアフガン兵(7月2日、今はタリバンに奪われた) Mohammad Ismail-REUTERS 中国ではタリバンの治安に関心が集まっており、米軍がバグラム基地を放棄したことがテロ拡散を招いたとする米共和党議員やペンタゴンの発言に基づいて報道している。英語の原文(日語版を含む)にも当たって真相を解明したい。 米軍によるバグラム空軍基地放棄に関する中国での報道 8月29日のお昼のニュースで、中国共産党が管轄する中央テレビ局CCTV国際は、 <米共和党員は、カブール空港での爆発事件に関してバイデンに責任があると追求した>というテーマで特集番組を組んだ。 また中国政府の通信社である新華社の電子版・新華網は、<空軍基地放棄が悲劇を生んだのか?バイデンは「アフガン撤退ロードマップには如何なる問題もない」と発言>という見出しで、米共和党議員によるバイデンの撤

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  • まるで敗戦直後の日本軍を奪い合う中共軍──米大使館存続望むタリバン

    アフガニスタンからの避難民を乗せてきた飛行機(8月27日、フランクフルト) Kai Pfaffenbach-REUTERS 敵として戦った米軍に対し、今タリバンはその大使館存続を望み、トルコには空港管理を依頼している。それは日投降後の中国で、中共軍が日軍人の技術を奪い合ったことを想起させる。空軍力が欠如していたことも共通している。 タリバンがアフガニスタンのアメリカ大使館存続を望むと表明 アメリカ国務省のプライス報道官は8月27日、タリバンがアメリカ政府に対して、8月末の駐留米軍の撤退期限後もアフガニスタンにあるアメリカ大使館の存続を望むと明確に示したと明らかにした。ロイター電や共同通信などが伝えている。 ロイター電はさらに、プライス報道官が「アメリカはアフガニスタンの人々に対する人道支援を継続する」と表明し、「ただタリバンの財源にならないようにする」とも述べたと報道している。 アメリ

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  • 沖縄空域を中国ドローンが3日連続で飛行、自衛隊の共同訓練中に

    Japan Keeps Intercepting China Military Drones and Spy Planes <日中国による東シナ海や南シナ海、台湾海峡への軍備拡張への危機感を強めるなかでの中国の動きは何を意味するのか> 日の防衛省は8月26日、中国の軍事用無人偵察機(ドローン)および哨戒機が飛行するのを3日連続で確認し、航空自衛隊の戦闘機を緊急発進(スクランブル)させたと発表した。日が現在、この近辺で複数のパートナー国とともに一連の共同訓練を行なっているなかでの出来事だった。 自衛隊の統合幕僚監部によれば、24日から26日までの3日連続で、中国の無人航空機(UAV)が目撃された。公表された無人機の画像は、航空自衛隊の戦闘機が撮影したものだ。 統合幕僚監部が発表した飛行経路の図解によると、自衛隊は24日に、中国の無人機TB-001が1機、東シナ海を飛行していることを察

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  • イーロン・マスクのスペースX、宇宙で毎週1600件のニアミス事故

    <大量の人工衛星により、安価で高速なネット環境を整える計画だが...> 革新的な民間ロケット開発で知られるイーロン・マスク氏のスペースX社で、もうひとつの野心的なプロジェクトが進行している。大量の衛星によって地球全域に高速な通信網を整備する、「スターリンク計画」だ。 スターリンクは地上の敷設ケーブルに頼らず、衛星経由でインターネット網を提供する。これにより同社は、アラスカなどの極地も含めた広い地域に、安価かつ高速な通信回線をもたらすとしている。 2019年11月から「Better than Nothing Beta(あるだけましなベータ版)」と銘打ったテストプログラムが一部地域で展開しており、契約者は月額99ドルで衛星ブロードバンドを利用可能だ。これまでに世界で9万人が利用しており、事前契約も含めるとユーザー数は延べ50万人を数える。 通信の強化に向けて同社は、第2世代スターリンク衛星の打

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  • ドローンが「知性」を持ち始めた。止めるなら今だ

    ビベック・ワドワー(ハーバード大学ロースクール研究院)、アレックス・ソークエバー(フォーリン・ポリシー誌ライター) 無人攻撃機はもはや常識。もしそれが「知性」をもったら?(写真は米海軍の無人戦闘航空機「X-47B」) U.S. NAVY via flickr <顔認識機能とAIを搭載したトルコのドローン「Kargu-2」は、標的を自ら発見して追跡・殺害することに成功した可能性がある> 映画『ターミネーター』シリーズでは、アーノルド・シュワルツェネッガー演じるスーパーロボットが、人間の標的を追い回して殺そうとする。1980年代の公開当時、これは現実にはあり得ないSFの世界の話だった。 だが今や殺人ロボットによる標的の追跡は現実になり、さらにはこうしたロボットが売買されて戦場に配備されている。ただし殺人ロボットといっても、映画に出てくるようなサイボーグではない。自律型の殺人ドローンだ。 トルコ

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  • 台湾が「台湾」の名前で五輪に参加する日は近付いている

    <東京五輪で史上最高の成績を上げたが、名乗りたい「国名」を名乗れないジレンマは今も解消されないまま> 東京五輪で台湾の選手は大活躍した。バドミントン男子ダブルスとウエイトリフティング女子59キロ級では金メダルに輝き、国・地域別で22位となる12個のメダルを獲得。台湾史上、五輪で最高の成績を上げた。 しかし五輪の公式サイトを見ると、「台湾」選手の成績はどこにも載っていない。台湾は「チャイニーズ・タイペイ」という名前で参加しているからだ。選手たちが掲げるのは、台湾国旗ではなく五輪マークをあしらった旗。表彰台で流れるのは国歌ではなく、台湾の「国旗歌」だ。 こうした措置は1981年に、台湾オリンピック委員会とIOC(国際オリンピック委員会)との間で決められた。当時は台湾中華民国)がそれまで占めていた国際的地位を、中華人民共和国が次々と奪っていた時期だった。 この状況で台湾の選手が引き続き国際スポ

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  • <カブール陥落>米大使館の屋上からヘリで脱出する「サイゴン陥落」再び

    Clip of Biden Saying People Won't Be Lifted Off Embassy Roof in Afghanistan Resurfaces as Just That Happens <バイデンが「ありえない」と言った「サイゴン陥落」がカブールでも起こった。バイデンは厳しい問いに直面することになる> アフガニスタンの反政府勢力タリバンが15日、首都カブールの主要施設を制圧する一方で、アメリカはカブールにある大使館の屋上からヘリコプターで職員を退避させる事態に追い込まれた。 ソーシャルメディアでは、ジョー・バイデン米大統領が先月の記者会見で「起こりえない」と言っていた状況がまさに現実のものになったと話題になっている。 1975年に南ベトナムの首都サイゴン(現在のホーチミン市)が陥落してベトナム戦争が終結した際には、アメリカ大使館の屋上から人々がヘリコプターで救

    <カブール陥落>米大使館の屋上からヘリで脱出する「サイゴン陥落」再び
  • 自宅療養で人々を見殺しにすると決めた菅首相

    <菅政権は全力で国民の生命を救おうとはしていない。何もしなくても「政権は安泰」と高を括っているからだ> 8月2日、政府は新型コロナウイルスで、「中等症」であっても「症状が軽い」あるいは「重症化リスクの少ない」患者に関しては、「自宅療養」を可とする方針を出した。これまでは原則的にコロナ患者は入院、無症状や軽症の場合は宿泊施設に入るという方針で進めていたが、その方針を転換したかたちだ。 オリンピックの開会式を含む7月の4連休以降、日全体に渡って新型コロナウイルスの急増がみられ、特に東京では一日4000人を越える感染者が出ている。すでに小池百合子都知事は比較的軽症の独身者に対して「自宅を病床のようなかたちで」と「自宅療養」を勧めていた。また、今年春に大阪で感染者が急増した際、入院もホテルなどの施設に入ることもできず、自宅でほぼ放置された患者が続出した。大阪の死者数の多さは、それが一因だと言われ

    自宅療養で人々を見殺しにすると決めた菅首相
  • 米軍撤退のアフガニスタンで次に起きること

    <ライバルが去ってユーラシアは中国ロシアの天下とかき立てるロシアメディアだがアメリカに代わり地域諸国の餌になる可能性も> バイデン米大統領の勇断で、アフガニスタンにいた2500人の米戦闘部隊は、7月には撤収をほぼ完了した。 2001年に米軍介入で政権から追われたイスラム原理主義勢力タリバンは巻き返しの勢いで、既に国土の85%を制圧したと称する。約20万人のアフガニスタン政府軍はもとから実力を欠き、これからは武器弾薬の補給と兵士への給料支払いもおぼつかなくなる。 このままでは首都カブールでも、1975年のベトナム戦争でのサイゴン陥落時の外国人脱出のような悲劇が起きる。避難できないアフガニスタン政府関係者や米軍への協力者たちは戦々恐々だろう。隣国タジキスタンでは既に、10万人の難民受け入れ準備を進めている。 タリバンの主流は、パキスタン軍の支援を得てきた。パキスタンは、アフガンの青年を教化

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  • いくら太陽光発電所を作っても、日本の脱炭素政策が成功しない訳

    <経産省の試算で、ついに太陽光発電のコストが原子力を抜いて最安となったが、これから重要となるのはむしろ風力だ> 最も安価とされていた原子力発電に代わって、太陽光発電のコストが最安という試算結果を経済産業省が公表した。ようやく世界標準の認識に追い付いた形だが、中身をよく見るとまだ課題は多い。 試算では太陽光のコストだけが著しく安くなっているが、太陽光発電所ばかり建設することには弊害がある。洋上風力発電のコストを欧米並みに下げなければ日の脱炭素政策はうまくいかないだろう。 経済産業省は2021年7月12日、30年時点の電源別発電コストの試算を発表した。それによると大規模太陽光発電のコストは1キロワット時当たり8円台前半~11円台後半となり、最も安いエネルギーとなった。15年の試算では太陽光は12.7~15.6円だったので大幅に安くなっている。 再生可能エネルギーの発電コストが圧倒的に安いこと

    いくら太陽光発電所を作っても、日本の脱炭素政策が成功しない訳