防衛省が西之表市馬毛島で進める米軍機訓練移転を伴う自衛隊基地整備は、12日で基地本体の着工から3カ月となる。真っさらな島を丸ごと南西防衛の一大拠点とする巨大事業だけに、同市2港のほか、鹿児島市など本土の少なくとも7港で大型の基礎部を造るなど「現場」が広がっている。大量の資機材を搬出する準備も進み、同省は工事をさらに加速させたい考えだ。 商業施設が立ち並ぶ鹿児島市新栄町や谷山港の沿岸部を進むと、海上で建設中の巨大な構造物が目に入る。防波堤や岸壁の土台となる「ケーソン」(大型の鉄筋コンクリート製の箱)の製作用台船だ。 ケーソンは幅20メートル、長さ30メートル、高さ20メートル前後。谷山港の2カ所では10階建てビルに相当する高さ30メートルほどの鉄筋の足場がそれぞれ組まれ、作業員が慌ただしく行き交っていた。近く夜間も含めた24時間態勢で製造する。 型枠が自動的に上昇してコンクリートを固める特殊
長年多くの思惑に翻弄(ほんろう)されながら、米軍空母艦載機陸上離着陸訓練(FCLP)移転と自衛隊基地の整備地に正式決定してわずか1年。鹿児島県西之表市の馬毛島は、今後4年ほどで恒久的な自衛隊基地へと姿を変えていく。地域浮揚は。暮らしへの影響は-。巨大事業によって訪れる急速な変化に、市民には期待と不安が入り交じる。 米軍機訓練移転と自衛隊基地整備計画で、基地本体工事が始まった12日、馬毛島を上空から見た。「着工」とはいえ、港や道路の整備は昨夏から続き、周囲16.5キロの島は刻々と姿を変えていた。 午後2時半、島東部の葉山港にショベルカー2台を積んだ台船が入ると、スイッチが入ったように人や車が慌ただしく動き出した。 港のそばには作業員用の2階建て宿舎4棟が建っている。優に数百人は入れそうな規模で、さらに増築される。重機や車もあちこちにあり、砂利道を行き交っている。防衛省の準備の周到さ、早期運用
鹿児島県西之表市馬毛島で進む米軍機訓練移転を伴う自衛隊基地整備を巡り、防衛省は10日、同島に計3000室以上の工事作業員らの仮設宿舎を設置する考えを明らかにした。医療体制確保のため、看護師も常駐させる方針。基地工事は1月12日に着手しており、従事する関係者は「数千人規模」「ピークは1年〜1年半後」との見通しを示した。 基地整備計画の環境影響評価(アセスメント)に関する市議会への説明会で報告した。「事業者として種子島に宿泊施設を建設する計画はない」とし、種子島に滞在している工事関係者を順次、馬毛島の仮設宿舎に移すとした。現時点の基地工事の従事者数は「多岐に渡っており、答えられない」と明言を避けた。 市議からは工事中の馬毛島での医療体制について質問があり、同省は「常駐の看護師が医療機関からリモートで指示を受けて対応する」などと回答した。「既に西之表市の医療機関と連絡態勢を構築している」とする一
「射撃を開始する」。タタタタッと空砲音が響き、敵役の戦闘員が次々と倒れた。陸上自衛隊奄美駐屯地(鹿児島県奄美市名瀬)で2月にあった開設4周年イベント。離島に侵攻してきた敵から陣地を奪い返す訓練を部隊が披露した。 日高正暁司令は訓示で、中国やロシア、北朝鮮を名指しし「脅威が顕在化している」と危機感を隠さなかった。 同駐屯地の一般開放は新型コロナウイルス禍の影響で、開設後初めてだった。訪れた家族連れら約3000人は普段見ることのない訓練に拍手や歓声を上げ、ミサイル発射装置などに試乗。部隊の緊張とは裏腹の光景が広がった。 一方、イベントをニュースで見た奄美市の主婦満尾環さん(45)は「部隊にミサイルがあると知らなかった」と驚き、不安になった。「祖母が戦時中、空襲を恐れて山に逃げた話を思い出した。何かあれば標的にならないか」 ■□■ 奄美には昨年、米軍が訓練で2回訪れ、機動性の高いロケット砲「ハイ
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く