理工系の学生こそ 宗教リテラシーを高めるべき 宗教学と聞くと、キリスト教や仏教を解説する学問のようなイメージを抱くかもしれません。でも私が受け持っている宗教学の授業は、スピリチュアリティつまり特定の宗教に依拠しない宗教意識や、人のもつ価値観に焦点をあてています。 目的の1つが、理系の学生たちの宗教リテラシーを高めること。理由は後述しますが、意外なことに理工系の優秀な学生は、一方でカルト宗教に引き込まれやすい傾向があるんです。オウム真理教による地下鉄サリン事件や松本サリン事件の実行犯の中には、東工大の工学部や東京大学の理系学部出身者、慶應義塾大学医学部出身の医師が含まれていました。学部1年生を対象にした授業では、信仰とは何か、信じるとはどういうことかを一緒に考え、リテラシーを高めます。 2年にはスピリチュアルブームや若い世代の死生観について、講義やワークショップを通して学び、3、4年には、映