文学者/エッセイストの池内紀氏の『ヒトラーの時代』の記述に多くの誤りがあると歴史研究者から指摘されており*1、特にある章は正誤表での訂正が困難なレベルであるそうだ。歴史を題材にした文学者の随筆だと捉えればよい気もするのだが*2、良質の歴史書が並ぶ中公新書が出してしまったので失望が大きい。中央公論新社が既刊への批判をどう処理するかが注目されるが、もう少し制度的に製作過程を改善すべきかも知れない。 査読システムを入れるべきでは無いであろうか。今回の件は、解釈に飛躍があると言う問題ではなく、固有名詞が一般的な表記とずれている、ドイツ近現代史に詳しい人であればすぐ気づく事実誤認があると言うことで、校閲が頑張れば問題は起きなかったと言う話もあるが、一般的には社会科学や人文科学でも学問的蓄積が進んでおり、出版社の人間がキャッチアップするのは困難になりつつある。また、校閲も何冊も同時に担当しており、十分
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