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2021年7月24日のブックマーク (1件)

  • 功利主義で表現の自由をどこまで擁護できるか

    …と言うネット論客の青識亜論氏から御題があって、だらだら話していたところをまとめておきたい。幾つか観点を追加している。 功利主義は人々の快苦の多寡や選好の強さを合計する快楽計算によって物事の是非を判断し、表現の自由も快楽計算によって判断する道徳的立場。ある表現物の是非を考える場合は、その表現物が誰かに与える快楽と、その表現物が与える苦痛の大きさを比較して、快楽が大きければ善しとする。 物事の良い面と悪い面をそれぞれ評価して是非を定める帰結主義の代表。単純明快な判断基準が特徴だが*1、18世紀にベンサムが原案を考案したあと、19世紀のシジウィックとミル、20世紀のブラントとヘアと受け継がれ、発展してきた。実社会に対する影響も大きく、J.S.ミルの『自由論』が古典的自由主義の礎になっている他、ここ何十年かは応用倫理学者のピーター・シンガーが安楽死や動物の倫理を考えるのに使っている*2。最近は幸

    功利主義で表現の自由をどこまで擁護できるか