子ども食堂、悩むニーズ把握 7割「来てほしい子来ない」 九州運営者アンケート 2018/3/24 6:00 温かい食事や居場所を提供する「子ども食堂」について、九州の運営者にアンケートしたところ、7割が「来てほしい家庭の子に来てもらえない」とニーズ把握に悩んでいることが分かった。17日に福岡県春日市であった「広がれ、こども食堂の輪! 全国ツアーin福岡&九州サミット」の実行委員会が調査した。実行委は「地域や子どものニーズに合わせて食堂の形態を考えていく段階に来ている」と指摘する。 アンケートは2~3月に実施。九州7県で子ども食堂を運営する49の団体・個人から回答を得た。 利用対象者を尋ねたところ、7割以上が「大人を含めて誰でも」。子ども食堂は貧困対策を出発点としてきたが、最近は家庭や地域に居場所のない子の受け皿になったり、学習支援の場になったりと形態が多様化しており、対象を「生活困窮家庭の
子育ての悩みを早めに察知して虐待を予防しようと、福岡市のNPO法人「SOS子どもの村JAPAN」は今月から、訪問型の支援に取り組む。各家庭の事情に応じた支援策を見極め、臨床心理士らを派遣したり、子どもを一時的に預かって親の負担を軽くしたりしながら、行政や医療機関との連携も図る。民間団体が支援策の立案から実施、アフターケアまで一貫して行う取り組みは全国的にも珍しいという。 同法人は、さまざまな事情で親と暮らせない子どもが里親と生活する「子どもの村」を福岡市西区で運営。2012年から市の委託を受け、臨床心理士らが夜間や休日の子育て相談を行っているが、外出自体が難しく悩みを抱えたままの親もいることから、訪問型の支援に乗り出すことにした。 新事業では、臨床心理士と社会福祉士の訪問支援人材を3~5人確保。親子関係や家庭環境、親の経済状況や健康管理など数十項目をチェックして、家庭ごとにふさわしい支援策
医療関係の会議や検討会に、患者や市民の参画を求める動きが広がっている。「賢い患者」を目指し活動するNPO法人「ささえあい医療人権センターCOML(コムル)」(大阪市)はそうした要請に応えるため、今夏、委員として参加できる人材の養成を東京で始める。 行政や医療機関などによる医療関係の会議に、患者が委員として位置付けられるようになったのは1990年代後半から。2007年のがん対策基本法の施行後は、国や都道府県の協議会に、専門家や有識者に加え患者がメンバーとして入る傾向が強まり、今年度からは特定機能病院の医療安全をチェックする外部監査委員会でも一般人の参加が明示された。一部の学会では標準的な治療法をまとめた「診療ガイドライン…
昨年9月初旬、名古屋国際センター(名古屋市中村区)の研修室に日本人と中国人計約10人が集まった。3人1組で取り組んだのは、実際の介護現場を想定した通訳の訓練だ。 「徘徊(はいかい)はありますか」。日本人の調査員役が、中国人の息子役に父親の様子を質問すると、通訳担当の日本人女性が中国語に訳す。 「没有(メイヨウ)」。息子役が答えると、通訳担当は「ありません」と日本語に訳して調査員役に伝えた。こうした訓練を約2カ月重ね、介護の現場で通訳に携わる。 介護通訳の養成に乗り出したのは、在日中国人を支援するNPO法人東海外国人生活サポートセンター(同市中川区)。きっかけは、代表の王栄(ワンロン)さん(52)の体験だった。中国残留日本人孤児だった父親(71)が帰国後、50代でパーキンソン病を発症。中国人の母(62)は介護サービスの利用手続き書類が読めず、王さんが通訳をして支えた。 3カ月を超える在留資格
「フィリピンで暮らす視覚障がい者の学習環境を改善したい」。この思いから、クラウドファンディング(不特定多数の人から資金を集めること)プロジェクトを立ち上げたNPO職員がいる。認定NPO 法人フリー・ザ・チルドレンの石田由香理さん(27)だ。石田さんは1歳3カ月のときに網膜芽細胞腫(眼球の中に発生する悪性腫瘍)で両眼を摘出し、全盲になった。 ■全盲になったら家族に捨てられた フィリピンの小学校入学率は96%だが、視覚障がい者に限ると95%は学校に通った経験すらないという。高校まで進む人は1%以下だ。「それどころか、地方になると、視覚障がい者の40%近くが障がいをもっていると分かった時点で家族から捨てられ、教会で育っている。障がい者は何もできないから教育を受けても仕方がない、とフィリピンでは思われている」と石田さんは話す。 石田さんは国際基督教大学(ICU)の学生だった2010年3月、フリー・
外国人のための4言語によるお薬手帳の試作品を見ながら話し合う大川印刷と共生のまちづくりネットワークよこはまの関係者ら=横浜市神奈川区で、石塚淳子撮影 大川印刷(横浜市、大川哲郎社長)と市民団体「共生のまちづくりネットワークよこはま」(小池由美代表)が協働で、やさしい日本語を含む4カ国語による「わたしのおくすり手帳」を製作している。お薬手帳は近年、重要性が見直されている。特に災害時に力を発揮することから、災害弱者になる可能性の高い外国人にも必要だという共通認識に立った。企業とNPOが協力して社会貢献事業に取り組むモデルケースにしたいという。 大川印刷は輸入薬品のラベル印刷をきっかけに創業、医療分野の印刷も多く手がけてきた。企業の社会的責任に基づく活動の一つとして、大学生を半年間、インターンとして受け入れている。
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