佐川修さん86歳(さがわ・おさむ=国立ハンセン病療養所「多磨全生園」入所者自治会前会長)24日、死去。お別れの会は26日午後1時、東京都東村山市青葉町4の1の1の同園。 14歳の時に入所。1990年代以降、強制隔離政策で受けた被害と人権の大切さを伝える語り部として講演を続けてきた。2006~16年…
男児の診察をする前垣義弘医師(右)と、研修でその様子を見る岡空輝夫医師(右から2人目)=鳥取大医学部付属病院で 発達障害を疑われる子どもが初めて病院にかかる際、診察までに数カ月待たされてしまうケースが全国で相次いでいる。鳥取県内でも受診希望が特定の病院に集中し、待機時間が延びる例が発生。適切な支援が遅れる恐れもあり、県は2016年度から地域の開業医を対象にした研修を始めた。専門医がいる病院への偏りをならすことで「待機児童」の解消につなげていく考えだ。【小野まなみ】
兵庫県姫路市在住の漫画家、古林海月(かいげつ)さん(49)が、ハンセン病をテーマにした長編漫画「麦ばあの島」(すいれん舎)を出版した。岡山県瀬戸内市の国立ハンセン病療養所「邑久(おく)光明園」が主な舞台で、国の隔離政策で故郷から離された患者の苦しみや、残された家族にまで及んだ差別が描かれている。療養所の入所者ら約20人に取材し、12年かけて完成させた。古林さんは「漫画をきっかけにハンセン病を身近な問題と感じてもらいたい」と話す。【椋田佳代】 中絶を経験した短大生の聡子が、療養所を退所して理容室を営む高齢女性の麦と出会い、心を通わせるストーリー。隔離政策を定めた「らい予防法」が廃止された1996年の時代設定だが、麦の回想を通して戦前の療養所の生活が描かれる。
全国13カ所の国立ハンセン病療養所の多くで、入所者自治会が高齢化で運営が困難になっている。毎日新聞のアンケートに対し、2カ所は既に自力運営できず、少なくとも7カ所がおおむね5年以内に運営できなくなると回答した。入所者の平均年齢は85歳を超し、入所者数がピーク時の1割以下の療養所もある。元患者らの権利獲得、外部との交流など幅広い役割を担ってきた自治会の機能低下は深刻で、支援が急務だ。【岩崎邦宏】 自治会は入所者による任意団体。長年の強制隔離政策の下で国を相手に処遇改善に取り組み、国家賠償訴訟を進めるなど元患者の人権を守る役割を果たした。近年は見学者の受け入れ、語り部活動など教育・啓発も担っている。
厚生労働省は17日、終末期医療の指針の改定案を有識者検討会に示した。自宅などでのみとりを望む人の増加を踏まえ、医療機関だけでなく在宅や介護施設での対応にも広げる。本人の意思確認の際には繰り返し話し合うよう促してもいる。2007年の策定以来初の改定で、今年度内に決定する。 病気や老衰など回復の見込めない終末期に、人工呼吸器の装着や心臓マッサージなどの延命措置を行うかどうかは患者の意思の尊重が大前提となる。厚労省指針は医療機関での利用を想定し、あらかじめ患者が意思決定するための手続きを定めている。 しかし、策定から10年が経過。年間の死亡者数が130万人を超える「多死社会」を迎えつつある。病院ではなく自宅など住み慣れた場所で最期を迎えたいと望む人も増えており、在宅や介護施設でも対応できるよう拡充する。
北里大学病院(相模原市)が、医師の勤務時間を就業規則で定めずに違法な残業をさせ、労働時間の把握も怠っていたなどとして、相模原労働基準監督署(同)から労働基準法違反で是正勧告や改善指導を受けたことがわかった。勧告や指導は昨年12月27日付。 北里大病院の関係者によると、同病院は「勤務時間管理規程」に従って職員の勤務を管理し、所定労働時間は週38時間とする▽残業させる場合は責任者の承認が必要▽休日出勤した場合は原則1週間以内に振り替えの休日を与える――ことなどを定めている。だが、医師や管理職はこの規程の「適用除外」にしていた。 北里大病院は全国に85ある、高度な医療を提供する病院として国が承認する「特定機能病院」の一つ。関東信越厚生局に提出した業務報告書によると、2016年10月時点で医師約600人、看護師約1300人が勤務しているが、医師は始業・終業の時刻や所定労働時間、休日についてのルール
バギーに乗り、高さのある机に向かって友達と一緒に学ぶ府川理央さん(手前から2人目)=宇都宮市立宮の原小で2017年12月8日午前10時15分、高橋隆輔撮影 筋力が低下して呼吸や歩行が困難になる難病「先天性ミオパチー」の影響で人工呼吸器を手放せない宇都宮市内の小学生が、周囲の支えで通常学級に通っている。同市立宮の原小2年、府川理央さん(8)。人工呼吸器を使う児童が通常学級に通うことは現状、ほぼ認められていないが、「うちに通いたい子を断る理由はない」という学校側の配慮で、たくさんの友達と一緒に学び、成長している。 昨年12月8日、同小2年1組であったコミュニケーションを学ぶ会話の授業。最近できるようになったことを聞かれた理央さんは「サッカー」と答えた。「ボールを蹴る距離が伸びた」と身ぶりを交えて説明。授業の終わりには手を挙げ、「言葉と巡り合える大切さが分かりました」と感想を発表した。
国内でただ一つのハンセン病患者専用の刑務所として使われた「菊池医療刑務支所」(熊本県合志市)。約20年前に閉鎖された元庁舎が、姿を消そうとしている。現地で学校の建設計画が進み、熊本地震で安全面への不安も生じたため、元患者らが保存を断念した。 国内最大のハンセン病療養所・菊池恵楓園の向かいにあるコンクリート造り2階建ての白い建物。1986年に建て替えられた菊池医療刑務支所の元庁舎だ。 53年に熊本刑務所の支所として設置された。同年にできた、らい予防法に基づく隔離政策やハンセン病への偏見から、犯罪に関わった患者の受け入れを一般の刑務所が拒んだことなどが背景にあったとされる。 当時の宮崎松記・恵楓園長は手… こちらは有料会員限定記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。 こちらは有料会員限定記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。 こちらは有料会員限定記事です。有料会員にな
医療的ケア児の通学の付き添いは保護者にとって大きな負担だ。文部科学省が2016年に行った保護者調査によると、付き添いの回数について半数近くが「平均週10回以上」と回答。交通手段は9割以上が「自家用車」で、ほぼ毎日、保護者の運転に頼っていた。多くの自治体は医療的ケア児のスクールバスでの集団送迎を禁じている。根拠の一つが、文科省が11年に都道府県教育委員会などに送った通知。「移動中の対応は危
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