双子や三つ子の家庭を支援する組織「多胎ネット」が各地で生まれている。2人以上が同時に生まれた「多胎」家庭は、「単胎」家庭とは違う苦労や悩みがある。単胎と比べると虐待が起きる割合が大きいとする分析もあり、双子や三つ子の子育てを経験した母親たちが立ち上がっている。 「誰にも支援してもらえなかったら、確実に虐待が起きると実感した」 6月18日、静岡県浜松市で開かれた講演会。名古屋市の弁護士で、小学4年の双子の母親である間宮静香さんが強調した。聴衆は双子の母親ら約150人。間宮さんは自身の経験を語った。 生後まもなく、約3時間ごとに繰り返す2人の授乳で睡眠時間はわずか。タイミングよく約4時間寝られた時は、うれしくて涙が出た。2人同時に泣けば1人は放っておくしかなく、子どもへの申し訳なさと近所迷惑になりかねない不安で精神的苦痛も重なった。 外出ではミルクも哺乳瓶もおむつも2人分持ち歩いた。場所をとる