厚生労働省は人手が足りない介護事業の人材確保に向け、高齢者に就労を促す取り組みを始める。会社を定年退職した人などを対象に、地方自治体を通じて介護の入門研修を施すとともに、修了者には人材を募集している介護施設への仲介も手掛ける。介護人材は2025年に38万人不足するとの推計もあり、就労意欲のある高齢者の開拓が必要だと同省はみている。15~64歳の生産年齢人口の減少が続く中、高齢者の就労拡大は業界
■要旨 医療・介護業界で「惑星直列」と呼ばれていた2018年度制度改正の全体像が少しずつ見えて来た。国レベルでは診療報酬と介護報酬、障害者福祉サービスの報酬がそれぞれ改定されるほか、都道府県レベルでは医療計画と医療費適正化計画の改定、国民健康保険の都道府県単位化に向けた手続きが進んでいる。市町村でも介護保険事業計画の改定が3月末までに進む。 では、こうした制度改正が進むと、医療・介護の現場や市民の生活はどう変わるだろうか。大きな方向性として、医療行政に関する「都道府県の総合的なガバナンス」が強化される一方、介護保険に関する市町村の「保険者機能」を強める方向で制度改正が進んでおり、医療行政に関する都道府県の役割と、介護行政についての市町村の役割がそれぞれ大きくなることは間違いない。 一方、診療報酬や介護報酬で重点分野とされている在宅ケアは医療・介護の垣根が低く、医療・介護連携など切れ目のない
1973年、岡山県生まれ。早稲田大学政治経済学卒業。時事通信社、東京財団研究員を経て、2017年10月から現職。関心分野は医療・介護。論文に「日本の医療保険における保険料賦課の現状と課題」「介護報酬複雑化の過程と問題点」(いずれも『社会政策』)。雑誌『医薬経済』に「現場が望む社会保障制度」を連載中。 「映画を見れば社会保障が丸わかり!」 映画は20世紀に生まれた大衆娯楽の一つ。そこに描かれているシーンやセリフは社会情勢を反映しており、社会の関心事や意識などを知る上で重要なツールだ。そこで、映画を題材に分かりにくい医療や介護など社会保障制度の根底にある考え方や、課題を論じていくことにする。 バックナンバー一覧 古今東西の映画を通じて、社会保障制度の根底にある考え方や、課題などを論じていく連載「映画を見れば社会保障が丸わかり!」。第5回は、介護保険制度を考える原点として、1985年製作の『花い
東京都杉並区は介護や子育て、就労などの支援機能を1カ所にまとめた福祉拠点を3月に開く。消費者トラブルの対応窓口や住民の集会所も併設し、将来は区内最大級の特別養護老人ホーム(特養)も設ける。区民の困りごとに担当者が縦割りで対応するのではなく、包括的に支援できるのが特長。いわば福祉の総合窓口で、全国でも珍しい取り組みという。荻窪駅近くの公務員宿舎などの跡地に複合拠点「ウェルファーム杉並」を開設する
高齢者の孤立を防ごうと、自治体などが退職後の世代を対象に様々な講座を開いている。男女とも平均寿命が80歳を超え、60歳で定年退職すれば、20年以上の時間がある。講座を通して緩やかな人間関係をつくり、「地域デビュー」を後押しする狙いだ。 1月の平日朝、兵庫県伊丹市立中央公民館の調理室で三角巾をつけた男性が、パン生地をのばしたり丸めたりしていた。ロールパンとピザを作る講座だ。 「きれいにまとまりましたね」 「俺、才能あるかも」 公民館がシニアの男性を対象に初めて開いた「『さすが!!』と云(い)わせるオヤジさんみがき塾」の最終回。6回の講座で参加費は計1700円。地域デビューに向けた心構えのほか、水回り清掃の仕方なども習ってきた。 この日は50~70代の5人が参加。最年長の土井一雄さん(76)が「顔見知りになってこれでさようならでは寂しい。また集まりませんか」と呼びかけ、後日飲み会を開くことにな
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