長崎県新上五島町で2014年1月、中学3年の男子生徒が自殺した問題で、町が設けた第三者委員会(委員長=大谷辰雄弁護士)は6日、男子生徒が悪口や陰口を言われる過酷ないじめを受け続け、それが原因で自殺したと認定する報告書を町に提出した。 第三者委は、男子生徒が亡くなる前にいじめ被害を示唆する作文を書くなどしていたのに、教師らが気づかなかったとして、学校のいじめ予防・対策の不十分さも指摘した。 自殺したのは町立中学3年の松竹景虎君(当時15)。3学期初日の14年1月8日、「LINE(ライン)」に自殺を示唆する書き込みをした後、自宅近くの町営グラウンドで首をつった。 公表された報告書の要旨によると、松竹君は3年に進級し、学級委員になった13年、同級生から「出しゃばっている」「キモい」「死ね」といった悪口や陰口を言われるようになった。2学期には筆箱をひっくり返されることもあった。 松竹君は同年10月
昨年3月、当時、名古屋市立中学1年だった女子生徒が飛び降り自殺を図った事故があり、市教育委員会は8日、「悪口などのいじめが自殺未遂の誘因になった」とする第三者機関の報告書を発表した。 市教委の「いじめ対策検討会議」(山田敦朗会長)の報告書によると、女子生徒は2013年6月から、同級生に「きもい」などと言われたり、悪口を書いたメモを見せられたりするいじめを受け、2学期から不登校になった。昨年3月、家出をして東京都内のマンション4階から転落。あごや足に3カ月のけがをした。いじめをほのめかす書き置きを残していた。 報告書は「いじめを自殺未遂の主要因として特定することは難しい」としながら、「心理的苦痛を感じていたのは確か」と結論。互いに謝罪させたり、アンケートや聞き取り調査をしたりした学校の対応について「継続的な指導やフォローがなく、『きちんと話を聞いてくれない』という不信感につながった」とした。
教育と福祉をつなぐ専門職スクールソーシャルワーカー(SSW)の需要が高まっているのは、貧困や不登校、保護者の精神疾患など、教員だけでは対応が難しい問題が学校現場で増えているためだ。 福岡県スクールソーシャルワーカー協会が対応実績をまとめて昨年刊行した「SSW実践事例集」には、多岐にわたる支援事例が紹介されている。 ネグレクト(育児放棄)で頭にシラミが大量発生し、同じ洋服でしか登校できないため、学校に行くのを渋る小学生▽貧困家庭で将来の目標が持てず、不登校の中学生▽誰とも接触を拒むひきこもりの中学生-などだ。 SSWは、授業中の校内巡回、気になる子どもの家庭訪問、不登校の子どもの学習支援などで、児童生徒に寄り添う。保護者に対しても、生活保護の受給申請援助、ハローワークと連携した就労支援、保健師や社会福祉協議会につないで医療機関受診や日常生活自立支援事業の利用を後押しするなど、さまざまな福祉サ
仙台市泉区の館中1年の男子生徒がいじめを苦に自殺した問題について、奥山恵美子市長は10日の定例記者会見で、年度内に市立の学校にいじめなどの問題対応にあたる専門職を置き、学校以外にも相談窓口の設置を検討するなど、再発防止策を講じていく考えを示した。 奥山市長は「担任などの他の業務と兼務するのではなく、いじめ問題について中心的に担っていくマンパワーの配置が必要」と述べ、今後、スクールカウンセラーなどの人員体制について教育委員会と調整する考えを示した。また、地域や家庭に対して、いじめの相談窓口設置を周知するなどの啓発活動にも予算が必要となる、との認識を示した。 さらに奥山市長は「学校内だけでは相談の受け皿として不十分という意見がある。現状、教育委員会などで管轄している窓口の整理や、きちんとした回答ができる人材の確保の問題もある」と話す一方で、「開設は早いに越したことはない」と強調した。
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