災害・医療現場で悲嘆や苦悩のケアに当たる宗教者の専門職「臨床宗教師」を養成している龍谷大大学院で平成29年度、新たに13人が研修を終えた。26年度に開講して以来、4年間の修了生は通算45人となった。 修了生らは昨年5〜12月、東日本大震災の被災地や緩和ケア病棟のあそかビハーラ病院(京都府城陽市)などで約150時間の実習を受け、相手の話に耳を傾ける「傾聴」や、異なる宗教間で協力する能力などを身につけてきた。 修了式が京都市下京区の大宮学舎で17日行われ、東北大大学院の谷山洋三准教授(臨床死生学)が、3月に始まる臨床宗教師の資格認定制度について講義。「布教を目的としないことを定めた倫理綱領を守ることが大切だ」と述べた。 東日本大震災の被災者との交流が最も印象に残ったという兵庫県尼崎市の浄土真宗本願寺派僧侶、天崎仁紹さん(24)は「悩みや苦しみを心で受け止める僧侶になりたい」。比叡山で修行中の天
国内でただ一つのハンセン病患者専用の刑務所として使われた「菊池医療刑務支所」(熊本県合志市)。約20年前に閉鎖された元庁舎が、姿を消そうとしている。現地で学校の建設計画が進み、熊本地震で安全面への不安も生じたため、元患者らが保存を断念した。 国内最大のハンセン病療養所・菊池恵楓園の向かいにあるコンクリート造り2階建ての白い建物。1986年に建て替えられた菊池医療刑務支所の元庁舎だ。 53年に熊本刑務所の支所として設置された。同年にできた、らい予防法に基づく隔離政策やハンセン病への偏見から、犯罪に関わった患者の受け入れを一般の刑務所が拒んだことなどが背景にあったとされる。 当時の宮崎松記・恵楓園長は手… こちらは有料会員限定記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。 こちらは有料会員限定記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。 こちらは有料会員限定記事です。有料会員にな
被爆2世、消えぬ不安=遺伝恐れ、差別も体験-原爆忌 放射能の影響の遺伝による健康不安を訴える被爆2世の占部正弘さん=6月30日、広島県福山市 広島の被爆者を父母に持つ「被爆2世」の不安は、原爆投下から72年がたつ今も消えない。今年になって26人の2世が、国に慰謝料を求める訴訟を広島地裁に起こした。原告の1人、広島県福山市の中学校教員占部正弘さん(59)は、10年前から喉の痛みを感じている。被爆し、肝臓がんで亡くなった父を思い、放射能の影響に恐れを抱き続ける。 全国被爆2世団体連絡協議会によると、被爆2世は全国に少なくとも30万~50万人いるとされる。訴訟で被爆2世らは、放射線の影響は遺伝している可能性があり、健康不安を抱えているのに十分な支援を受けていないと主張。国側は「遺伝は科学的に立証されていない」と反論している。 占部さんの両腕には子どもの頃に突然、白斑ができた。被爆直後、父親の
麻酔や酸素など医療機関で使用されるガスの配管工だった山際光博さん=当時(60)=が肺がんで死亡したのは、会社がアスベスト(石綿)対策を怠ったのが原因だとして、山際さんの家族が、勤務先だった大阪府吹田市の設備工事会社「近畿医療設備」に計約5千万円の損害賠償を求めた訴訟が、大阪地裁で和解したことが1日分かった。同社が解決金3千万円を支払うなどの内容で、7月27日付。 和解条項では、同社が今後、従業員や退職者に石綿の粉塵(ふんじん)の危険性を周知するほか、労災申請などの希望があった場合に速やかに必要な協力を行うことも盛り込まれた。 訴状によると、山際さんは昭和50年〜平成8年に同社に勤務し、医療用ガスの配管設置作業に従事。天井裏で鉄骨に吹き付けられた石綿の粉塵を吸い込むなどした。23年9月に肺がんと診断され、同10月に死亡。24年に労災認定された。
性暴力の被害者は、被害のことを誰かに相談したくても、家族や知人には、むしろ知られたくないと思うことが少なくない。そこで、1カ所の窓口で治療や支援につなげる「ワンストップ支援センター」の設置が2010年以降、全国に広がっている。だが、被害者にとって十分満足できる場所とはいえない。【鈴木敦子】 昨年秋、県内に住む女性は、知人男性から受けた性暴力について相談しようと思い、「県性暴力被害者サポートセンターSaveぐんま」のホームページ(HP)を開いた。Saveぐんまは15年に県が高崎市の産婦人科「佐藤病院」の敷地内に開設したワンストップ支援センターだ。 そこには相談窓口の電話番号が書かれていたが、電話をかけられなかった。「相談員が自分の知り合いかもしれないし、電話で何を聞かれるのだろうかと思うと……」
血圧を測りながら被災者の不安の声に耳を傾け、心身のケアにあたる災害支援ナースの岡崎さん=福岡県朝倉市で2017年7月16日、円谷美晶撮影 九州北部豪雨の被災地で避難生活が長引き、被災者の心のケアが課題となっている。被災のショックや疲労から不眠、食欲不振などを訴える人が目立ってきており、福岡、大分両県で医師や看護師らが巡回を強化している。今後、長期的にきめ細かいサポートができるかが問われそうだ。【円谷美晶、西嶋正法、田畠広景、青木絵美】 「この先、どこに住めばいいのかと考えると眠れない」。自宅が流され、福岡県朝倉市内の避難所に身を寄せる同市杷木林田の女性(80)はそう言って心身の不調を訴えた。心臓も患っており、週2回程度のリハビリも通えず、足も痛むという。
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