高齢者が1人で食事をとる「孤食」のさまざまなリスクが明らかになってきた。1人きりのために栄養バランスがおろそかになり、食への楽しみも薄れがちだ。その結果、体力が衰えて介護が必要になる手前の状態「フレイル(虚弱)」に陥りやすくなる。要介護状態にならないために、食習慣や社会参加の大切さが改めて見直されている。(戸谷真美) ◇ ◆10年続く「食事会」 11月下旬、埼玉県ふじみ野市の同市保健センター。高齢者ら45人が手作りの昼食を食べながら、おしゃべりに花を咲かせた。食事会は同市のNPO法人、ふじみ野明るい社会づくりの会が、10年ほど前から月に1度、開いている。 調理は当日の午前中に約半数の参加者で行う。予算は毎回、1人分3品で300円以内。大学の栄養学科などの協力を得たバランスの良い献立だ。同会理事長の北沢紀史夫さん(74)は「食事会をきっかけに外に出て人と話し、きちんと食べられる機会を作れれば