重い病気の子どもと家族を支える施設「子どものホスピス」が今月、大阪市鶴見区と東京都世田谷区で相次いで開所した。医療機関でもなく、既存の福祉施設とも異なる利用形態が特徴で、関係者の期待も大きい。ただ、新たな理念に基づく、国内に存在しなかった施設だけに、社会に定着するにはトラブルのない施設運営や団体の透明性の確保が求められる。【高野聡】 大阪市に完成した「TSURUMIこどもホスピス」は、一般社団法人「こどものホスピスプロジェクト(CHP)」が、日本財団とユニクロから計約7億円の寄付を得て建設した。花博記念公園緑地内の2000平方メートルの敷地に建てられた2階建て施設にはプレールームやキッチン、宿泊部屋が備わる。木目を生かした各部屋には「おおきな部屋」「どんぐりの部屋」などの柔らかな響きの名がつけられている。 この記事は有料記事です。 残り1548文字(全文1906文字)
重い病気の子どもを支援する施設「TSURUMIこどもホスピス」が4月、大阪市鶴見区に開業した。地域住民との交流を通じ、病気とともに生きる子どもや家族を癒やし、成長を見守るのが目的だ。難病を患う15歳以下の子どもは約20万人いるとされているが、医療機関に併設されていない子ども向けのホスピスは全国で初めてという。 2階建てのホスピスに足を踏み入れると、木の香りが漂う開放的な空間が広がる。1日にあったオープニングセレモニーでは、中庭を一望できる2階テラスに難病を抱えた子どもら3家族が集まった。世界で1枚のオリジナルTシャツを作ろうと、白い紙に色とりどりのペンで絵を描く。 その一人に、大阪市平野区の中学2年、北東紗輝さん(13)がいた。3歳の時に脳腫瘍(しゅよう)と診断され、手術を受けた。現在は自宅で投薬治療を続けながら、学校に通っている。「一緒に病気と闘った仲間と遊んだり勉強したりしたい。早くこ
一般社団法人こどものホスピスプロジェクトは、日本財団、および株式会社ユニクロの支援を受け、難病の子ども向けホスピス「TSURUMI こどもホスピス」(大阪市鶴見区花博記念公園緑地内)を4月1日(金)に開業します。 一般社団法人こどものホスピスプロジェクト(以下:CHP)は、日本財団、および株式会社ユニクロの支援を受け、難病の子ども向けホスピス「TSURUMI こどもホスピス」(大阪市鶴見区花博記念公園緑地内)を4月1日(金)に開業します。 「TSURUMI こどもホスピス」は、英国の「ヘレン&ダグラスハウス」を参考に作られた、日本初のコミュニティ型子ども向けホスピスです。国内の成人向けホスピスが末期がん患者などの緩和ケアを主眼とした終末期医療のための施設であるのに対し、「TSURUMI こどもホスピス」は難病児自身の成長を持続的に支援する機能と、家族の看護負担を軽減し、リフレッシュしてもら
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