文科省の「通知」とは、教育委員会を通してすべての小中高へ送付される行政文書のこと。「行政の意向」を現場に伝える手段となっている。これまで文科省は「学校復帰」の文言を含む通知を2003年から2016年8月にかけて4度、出していた。 その後、国会では不登校に関する初めての法律「教育機会確保法」が成立。2017年3月に策定された同法の基本指針では、同法とその付帯決議を根拠に「学校復帰のみ」にこだわらない新しい不登校対応が必要であることが明示された。なお、基本指針だけでなく新学習指導要領においても、新しい不登校対応の方針が示されている。 学校復帰前提の不登校対応が しかし、学校現場において、依然として不登校対応の絶対的な目標は「学校復帰」であり、それは教員にも浸透されている。新しい不登校対応の指針について、教員からは「知らなかった」「これまでとは正反対の不登校対応で、どうしたらいいかわからない」な
近年、地域活性化の手法としてクラウドファンディングに注目が集まっている。クラウドファンディングといえば、達成金額が数千万円を超えるような新商品開発のプロジェクトが話題になったりすることも多いが、本質はそれとは少し違うところにあるように思う。 実は、クラウドファンディングは地域活性化との相性がとてもいい。少額の支援と一緒に各自の志を積み上げることで、地域の人たちも関係者として巻き込み、地域の想いを集約したプロジェクトをつくることができるからだ。 クラウドファンディングという言葉としては最近になって耳にするようになってきたものだが、このようなものは昔から受け継がれて来ている。町や村のお祭りはだいたい、その地域の企業がたくさん協賛して成り立っているものだ。 過去に遡れば、和歌山県にある世界遺産でもある「高野山」を創設した空海は、涓塵(けんじん)の重要性を語っている。涓塵とは、ごく僅かなお布施を、
「ルポ 保健室」著者・秋山千佳さんインタビュー(後編) 子どもの7人に1人が「相対的貧困」状態と言われる時代。経済的な困窮だけでなく、人間関係の“貧困”に直面する子どももたくさんいます。「ルポ保健室」著者で、ジャーナリスト秋山千佳さんへのインタビュー後編です。【ライター・本多カツヒロ】 親と一緒に食事を取ることを許されない子ども --他にどんな困難を抱えた子どもが保健室に来るのでしょうか。 秋山千佳さん ある小学校の保健室で出会った男子は、父親が会社を経営していて、ブランド物の洋服を着ていましたが、頻繁に保健室に着ては、養護教諭に「死にたい」と口走っていました。心配して保健室に来た担任に「俺に構うな、死ね」と怒鳴つけるなど、情緒が安定しない問題児と見られていたようです。
コガクレン主催のシンポジウムを前に、パネリストに招く大学教員3人(右側)と打ち合わせをする岩頭さん(左から2人目)ら=福岡市城南区で 貧困などで学習困難な子どもたちの支援に関わってきた福岡県内の大学生が、学生のボランティア参加を推進するためネットワーク「福岡子ども支援学生連盟(略称・コガクレン)」を結成し活動を本格化させる。経済的困窮や社会的孤立を背景に子どもの支援が全国で進められているが人手不足などが課題となっている。学生たちが自ら連携して、活動する仲間の輪を広げる考えだ。【青木絵美】 コガクレンは、昨年末に福岡市であった子どもの貧困や権利を考える市民フォーラムで、分科会を企画した九州大や筑紫女学園大、福岡大の学生6人が中心メンバー。いずれもNPO法人の活動や大学のボランティアグループなどに参加し子どもの支援に携わってきた。活動の課題などを話し合う中で、ネットワーク作りが持ち上がった。
聴覚障害者が人の孤独を救う!?「サイレントボイス」 尾中友哉さんが夢見る社会とは 2018.04.05 マイプロSHOWCASE関西編 with 大阪ガスネットワーク マイプロSHOWCASE関西編 with 大阪ガスネットワーク ヘメンディンガー綾 ヘメンディンガー綾 同じ空間にいるのに、居合わせた人が別々のスマートフォンを見つめる光景。電車の中やカフェで、あるいは家庭内で目にしたことありませんか? 現代はかつてないほど個人が言葉を綴り、世に発信しています。もしも、それが人々の孤独の反動だとしたら、現代人はかつてないほど孤独を感じているとも言えます。 「聴覚障害者は聞こえない分、最も孤独を感じやすい存在です。でも、だからこそ孤独を乗り越える方法も知っている。彼らの世界が持つ可能性が社会に出たら面白いなと思うんです」。 NPO法人および株式会社「サイレントボイス」の尾中友哉さんはそう言いま
小田急電鉄グループは学生と地域住民、企業などの交流を促す新タイプの学生寮の運営に乗り出す。神奈川県藤沢市内で16日に開業する。食堂は誰でも利用できるように開放するほか、入居学生が地域住民や企業、自治体、周辺大学などと交流できる機会を設ける。地域の活性化を後押しするほか、学生と企業などを結び付けることで新事業創出や就職支援などにもつなげる。新たな学生寮は「NODE GROWTH 湘南台」。小田急
自民党のスポーツ立国調査会(会長=馳浩・元文部科学相)は6日、「運動部活動の抜本改革に関する緊急提言」を取りまとめた。中学校の運動部活動を、地域スポーツと一体化することを掲げており、8日に林芳正文科相に提出する。 提言は2020年東京五輪・パラリンピック後を見据えた取り組みの一環で、中学校の運動部活動の現状について、「少子化の影響で、単独校では十分な部員を確保できない」「非科学的で過度な長時間練習によって学業との両立が困難になっているケースもある」「教員が多忙で、主に若手を中心に顧問になることを避ける傾向がある」などと分析。これらの問題点を解決するため、学校単独の活動としてではなく、民間スポーツクラブやスポーツ少年団、総合型地域スポーツクラブの活動と一体化していくことを目指す。運動部活動に熱心な顧問の教員が、今後は地域クラブの指導者として活躍できるような環境作りも検討する。 スポーツ庁も今
市立小学校の部活動を廃止する方針を、名古屋市教育委員会が5日に明らかにしている。2020年度末で廃止し、それ以降は教員が携わらないかたちで子どもたちの運動や文化活動の機会をつくっていくのだという。 その理由が、矛盾しているように感じてならない。「社会問題になっている教員の多忙化を解消し、授業などで児童に向きあう時間を確保する狙い」(『毎日新聞』3月5日付 電子版)なのだそうだ。 部活動は、「児童に向きあう時間」ではないのだろうか。児童に向きあわない部活動であれば、それは廃止してもかまわない。しかし、児童と向きあわない部活動など成立しない。つまり部活動廃止は、児童と向きあう時間を奪うことにしかならないのだ。 教員の仕事には、児童と向きあわないものが多々ある。教委への報告書やアンケートの提出なども、そうしたもののひとつだ。そうしたものを廃止すれば、「児童と向きあう時間」は確保できる。 そうした
平成30年1月25日 このたび、平成30年度「夜間中学の設置推進・充実事業」の公募を開始しましたので、お知らせいたします。 1. 事業の趣旨 夜間中学は、様々な事情で義務教育未修了の学齢経過者や本国において義務教育を修了していない外国人等の就学機会の確保に重要な役割を果たしており、さらに今後、不登校等により実質的に十分な教育を受けられないまま中学校を卒業した者の受入れという役割も期待される。しかしながら、夜間中学は全国で8都府県25市区に31校の設置に止まっている。 平成28年12月に、いわゆる教育機会確保法が成立したこと等を受け、今後、国は義務教育の段階における普通教育に相当する教育機会の確保等に関する施策を総合的に推進する必要があり、本事業により、新たな夜間中学の設置を促進するとともに、既存の夜間中学における多様な生徒の受入れ拡大を図るものである。 2. 委託事業の内容 上記の趣旨を踏
小中学校を担う半田市教育委員会と、半田東高校、日本福祉大学(美浜町)が19日、教育連携・交流協定を結んだ。小学校から大学までが連携して、児童、生徒、学生、教員らの相互交流を深めて地域の教育力向上を目指す試みだ。こうした協定は全国的にも珍しいという。 半田東高には今春、豊橋南高とともに県立高初の教育コースができる。教職を目指す子どもを受け入れ、「地域」「世界」「未来」を意識した教育を目指し、2年生では授業の一環として豪州の教育現場の視察もあるという。連携は教育コース新設を機に同高が呼びかけた。 協定では、市内の小学校で教育コースの生徒の体験実習を受け入れたり、同高が生徒を小中学校や地域の行事に派遣したりする。小中学生や教員との交流活動にも力を入れる。 また、大学側も教員を目指す…
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