社会で適切な支援を ドメスティックバイオレンス(DV)を目撃して育つ子供にはどんな影響があるのか。DV家庭の子供たちの実態を1年かけて取材し、4~5月、くらしナビ面で「消えない傷~DV家庭に育って~」を連載した。改めて思うのは、DV家庭の子供たちに支援の手がほとんど届いていないということだ。 2004年の児童虐待防止法改正で、DVを目撃することが心理的虐待「面前DV」になると定められた。だが、こうした家庭で生まれ育った子供の実態はあまり知られていない。暴力で人をコントロールすることがすり込まれた子供が大人に成長し、DV加害者になるケースもある。「暴力の世代間連鎖」を断つには、早い段階から子供に専門的なケアをする必要があるが、支援は乏しい。面前DVが増加している昨今、支援は待ったなしの状況だと感じる。 16年、警察が児童相談所へ虐待の疑いがあると通告した子供は5万4227人(前年比46・5%