全国どこでも標準的ながん治療を受けられる体制を目指した「がん対策基本法」の施行から4月で10年を迎える。法制化を機に拠点病院や相談支援窓口は整備されたが、苦痛を和らげる緩和ケアなど道半ばの取り組みもある。昨年末には、闘病しながらの就労といったこの間に浮上した課題を見据えた改正法が成立。「国民病」を取り巻く医療の充実へ努力が続く。「要件を満たしていない疑いがある。拠点病院制度への信頼を損ねる恐れ
政府が自殺防止に向けて、10年後に自殺者を「1万4千〜1万5千人以下」とする目標の提示を検討していることが4日、分かった。人口比の自殺率では先進国並みの目標となるが、日本は自殺者が平成10年に3万人を超えて以降、突出して高い水準が続いているため、関係者は「かなり意欲的な数値」としている。月内に自殺対策に関する報告書案の骨子をまとめ、目標数値を盛り込んだ「自殺総合対策大綱」を今夏にも閣議決定する。 関係者によると、検討中の目標は、先進国の数値を参考にする。世界保健機関(WHO)の2012年の調査によると、日本(18・5)を除くと、先進国や高所得国を合わせた自殺死亡率(人口10万人比)の年平均は11〜12。日本の人口に換算すると、1万4千〜1万5千人になるという。 日本の自殺者数は、平成に入ってから15年の3万4427人をピークに減少傾向にあるものの、28年は2万1764人(速報値)と多い。
増え続ける子どもの虐待に適切に対応するため、厚生労働省は児童相談所と市町村の役割分担を明確にすることを定めた、ガイドラインの案を公表しました。児童相談所がより深刻な事案の対応に集中できるよう、緊急性の低いケースは市町村が受け持つことなどが盛り込まれています。 こうした中、厚生労働省は1日開いた専門家の会議で、虐待に適切に対応するため、児童相談所と市町村の役割分担を明確にすることを定めたガイドラインの案を公表しました。 この中では、児童相談所の負担を減らし、より深刻な事案の対応に集中できるよう、緊急性の低いケースについては市町村が受け持つとしています。 そのうえで、市町村に対し、保健師や社会福祉士などが常駐する専門の組織を新たに設けるなど体制を強化するよう求めているほか、情報を常に共有し、当初より虐待のリスクが高まった場合は、すぐに市町村から児童相談所に担当を移すなど、連携を強化することも求
大分県内の児童養護施設で働く看護師たちが、入所する子どもに医療ケアが行き届くよう、健康記録用紙の統一を進めている。虐待を受けるなどして保護された子は、病気や障害を伴っているケースが少なくない。だが、健康管理の方法は各施設に委ねられ、ケアに格差が生じている現状がある。識者は「看護師同士のノウハウが共有されることは、子どもの利益に直結する」と歓迎する。 看護師考案、情報共有へ 厚生労働省によると、児童養護施設の子の約6割は虐待を受けた経験があり、約3割に心身に障害があるという。大分県では2012年に各施設の看護師らが「連絡研修会」を結成。定期的に話し合う中で、子ども一人一人の健康記録を付けている施設とそうでない施設があり、服薬管理や通院指導など医療ケアで差があることが分かった。 そこで同会は、健康に必要な情報を整理できる共通用紙を考案。看護師以外の職員にも一目で分かるよう、予防接種歴、既往歴、
発達障害、虐待などで感情や行動が不安定になり、情緒障害児短期治療施設(4月から児童心理治療施設)でのケアが必要とされた九州の121人(昨年3月末現在)のうち、13%が九州外を含む他県に入所していたことが、西日本新聞の取材で分かった。施設不足や、受けられるケアが限られることが主な理由。遠い距離を通って支える家族らの負担も重く、受け皿の充実が急がれる。 同施設は心理療法や生活指導を通じた社会復帰を目的とし、全国に45カ所ある(昨年末現在、全国情緒障害児短期治療施設協議会調べ)。国は都道府県、政令市、児童相談所のある中核市に設置を求めるが、九州は6カ所にとどまり、佐賀県と3政令市は未整備。 九州の各県や政令市によると、昨年3月末現在、県外の施設に入所する子どもは、福岡、佐賀、宮崎3県からが16人。受け入れ先は長崎、熊本、鹿児島各県などで、福岡市から岡山県の施設に入所した子もいる。 「県外の方が近
入学を前にランドセルを背負う前田結大君=横浜市内で2017年2月16日午後3時47分、宇多川はるか撮影 気管を切開し、たんの吸引が必要な横浜市の幼稚園児、前田結大(ゆうだい)君(6)が今年4月、地域の小学校に親の付き添いなしで通学できることになった。結大君親子の要望を受け、横浜市が公立小学校に通う医療的な介助が必要な児童(医療的ケア児)のための看護師配置を、初めて決めた。 結大君は声帯まひで気道が狭まる「気道狭さく」の状態で生まれ、生後すぐに気管切開した。以後、喉に取り付けた管からたんを吸引する医療的ケアが欠かせない。 たんの吸引以外に障壁はなく、兄や友達が通う地域の小学校への入学を望んだが、市は「親が付き添うか、特別支援学校に入学するか」という選択肢を提示。母直美さん(43)ら家族は「付き添いなしで、のびのびと学校生活を送ってほしい」と願い、約2年前から看護師の配置を求めてきた。
「看護師さえいれば保育園で社会生活を送ることができる。そのエビデンス(根拠)を作るため『捨て石』になるつもりでやっている」 自民党の野田聖子・元総務会長は朝日新聞のインタビューにこう語る。 不妊治療の後、卵子提供を受けて2011年1月に50歳で出産。生まれた長男は心臓などに複数の病気があり、病院のNICU(新生児集中治療室)に入った。退院したのは2歳3カ月のとき。気管切開し、胃ろうがある医療的ケア児を預かる保育園や幼稚園は見つからなかった。 野田氏は当時、総務会長を務めていた。「共働きの夫婦で障害を持った子を育てられるかを確認するつもりでやってみたが、結論から言うと、できない。夫が仕事をあきらめました」 医療的ケア児も預かる障害児向けの保育園「ヘレン」が東京都杉並区に開設されたのは14年9月。ようやく保育園に通えるようになった。 医療的ケア児の支援に取り組む超党派の勉強会「永田町子ども未来
生活保護を受けている家庭の子どもは栄養の偏りなどによって健康上のリスクが高まるケースが少なくないことから、厚生労働省は学校と自治体が健康診断のデータを共有したうえで、子どもの生活習慣が改善するよう支援していく方針を示しました。 このため厚生労働省は18日、都内で専門家会議を開き、就学している子どもを対象に、保護者の同意を得たうえで学校と自治体が健康診断のデータを共有して健康上のリスクがある子どもの生活習慣が改善するよう支援していく方針を示しました。 具体的な方法は、自治体の職員が家庭を定期的に訪問し、子どもに食生活や運動、歯磨きなどを指導するほか、状況に応じて保護者にも、生活について指導することも検討しています。これについて専門家からは「子どもの肥満は成人してから生活習慣病につながるので、早期に介入することは重要だ」などの意見が出され、大筋で了承されました。 厚生労働省は今後さらに支援の内
九州にある82の児童養護施設のうち、看護師を配置しているのは昨年末時点で31カ所(37・8%)を数え、4年間で2・4倍に増えたことが、西日本新聞のまとめで分かった。親元で虐待を受けるなどして医療的ケアが必要な子が多いことから、国が配置を促してきた。ただ、鹿児島県や宮崎県ではほとんど配置されていないなど地域格差が大きく、関係者は「ケアの態勢を早急に整えてほしい」と要望している。 厚生労働省の調査によると、児童養護施設にいる約3万人のうち、6割に虐待を受けた経験があるほか、3割に心身の障害があり、2割は何らかの病気にかかっていた。一方で、専門知識に乏しい職員では健康状態の把握が不十分になりがちなことから、国は2008年に助成制度を創設。12年からは医療的ケアが必要な子が15人以上いる施設に対象を拡大し、看護師を雇用する費用を自治体と半分ずつ支出している。 九州の7県と3政令市によると、国の
政府は22日の閣議で、一般会計の予算額が過去最大の97兆4547億円となる2017年度の予算案を決定した。前年度の当初予算と比べて7329億円増加している。医療・介護などの社会保障関係費は当初予算よりも4997億円多い32兆4735億円。いわゆる自然増による伸びは、5000億円弱に抑えられた。【松村秀士】 【関連記事】 来年度予算の自然増5千億円程度に(2016/12/19) 財務・厚労の大臣折衝から同時改定を読む(2016/12/20) 全体の社会保障関係費(32兆4735億円)のうち、厚生労働省分は前年度の当初予算よりも3800億円程度多い30兆2483億円で、その内訳は、「年金」が11兆4249億円、「医療」が11兆7685億円、「介護」は3兆130億円など。 来年度の社会保障の充実に向けた施策としては、各都道府県に設置した地域医療介護総合確保基金を活用し、病床の機能分化や連携に
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く