ブックマーク / honz.jp (10)

  • 『ダメな統計学 悲惨なほど完全なる手引書』で科学の基盤をより確かなものにする - HONZ

    世界は数字であふれている。政治家の支持率から健康品が病気のリスクを下げる確率まで、ニュースや広告を介して、新たな数字が次々とわたしたちに届けられる。しかしながら、その数字がどのようにつくられ、どのような意味を持つのかを真に理解することは容易ではない。特に、数字の送り手に悪意がある場合には注意が必要だ。50年以上前に出版された世界的ベストセラーの『統計でウソをつく法』で知られるように、統計を恣意的に用いれば、多くの人を欺くことはそれほど困難ではないのだ。 それでは、きちんとした科学研究室・大学によって裏付けられたデータならば無条件で信用できるのだろうか。そうではない、と統計学の講師でもある著者のアレックス・ラインハートはいう。科学者たちに悪意があり、統計学を歪めて使用しているわけではない。科学者たちもまた、わたしたち一般市民と同様に統計学をきちんと理解していないというのだ。 科学者は、統計

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    schadling 2017/02/27
  • 『数学の大統一に挑む』こんな私でも数学を好きになれますか? - HONZ

    数学なんて勉強する人たちは、いったい何者なのだろう。」ノンフィクションの中でも、私が挫折した数ナンバーワンは数学である。目に見えない概念にめっぽう弱いため、数式に拒否反応が出てしまう。しかし、私のこの意見に「同感!」と思った人にこそ、是非とも読んでもらいたい一冊だ。 著者であるエドワード・フレンケル氏が数学者として自分を見出したのは、石油ガス研究所(日でいうところの工業大学)に入学して間もないころだった。学校でもっとも尊敬される教授が声をかけてきた。「数学の問題を解いてみたいと思わないかね。」 与えられた問題は「ブレイド(組み紐)群」といって、「世界中の誰ひとりとして、まだ手に入れていないもの」であったにもかかわらず、誰も予期していなかった別の抜け道を発見し、著者は不意に答えを得ることになる。以下の文は、「わたしが数学者になった瞬間のこと」として興奮を隠せない様子が伝わってくる。

    『数学の大統一に挑む』こんな私でも数学を好きになれますか? - HONZ
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    schadling 2015/07/20
  • 『なぜ人類のIQは上がり続けているのか? 人種、性別、老化と知能指数』 知能の謎に迫る! - HONZ

    著者ジェームズ・R・フリンは1980年代に発表した論文で、アメリカをはじめとする工業国で、時代とともにIQ(Intelligence Quotient)が上がり続けていることを確かな証拠で示した。人類が過去100年にわたって賢くなり続けているという研究結果は大きな反響を呼び、このIQ上昇は著者の名前から“フリン効果”と呼ばれるている。 フリン効果は、更なる疑問を呼び起こさずにはいられない。なぜ、人類のIQは劇的に向上したのか、21世紀もこの傾向は続くのか、そもそも人類の知能は当に向上しているといえるのか。書はIQ研究の世界だけでなく、知能そのもののとらえ方に新たな視点を提供したフリン自身が、様々な時代と地域のデータを丁寧に分析することで上記の質問に答えを出しながら、「時代や場所が人類の知性にどんな影響を与えているのか」を解き明かしていく。 日でのIQに対する関心は欧米ほど高くはなく、

    『なぜ人類のIQは上がり続けているのか? 人種、性別、老化と知能指数』 知能の謎に迫る! - HONZ
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    schadling 2015/06/03
  • 『目の見えない人は世界をどう見ているのか』見えないことから見えるもの - HONZ

    ずばりタイトルの通り、書は視覚障害者が世界をどのように認識しているのかについて迫っていくだ。目が見えない人とその関係者数名に対して行ったインタビュー、ともに行ったワークショップ、日々の何気ないおしゃべりなどを通して、晴眼者である著者が彼らをとりまく「見えない世界」について考えていく。 盲人の生活について書かれたはこれまでにも色々出ている。パッと見それほど珍しいテーマには思えない。しかしまえがきを読むと、書が一風変わった切り口から書かれていることがわかる。 書は、広い意味での身体論を構想しています。ただし、これはあまり前例のない身体論かもしれません。一般に身体論では健常者の標準的な体を扱います。ところが書では、「見えない」という特殊な体について考えようとしているわけですから。 書はいわゆる福祉関係の問題ではなく、あくまで身体論を扱ったであるということだ。「障害者とは、健常者が

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    schadling 2015/04/23
  • 漫画でしか表現できない科学『ドミトリーともきんす』 - HONZ

    このは、一見すると科学書の読書案内である。「ドミトリーともきんす」という下宿屋に寄宿しているという設定で、著名な科学者たちが寮母のとも子、娘のきん子と語りあう。彼らの言葉をたどるストーリーの中で、彼らがどのように考えて研究していたのか、何が彼らを魅了していたのかが描かれる。登場する科学者は、朝永振一郎(物理学)、牧野富太郎(植物学)、中谷宇吉郎(物理学)、湯川秀樹(物理学)。各話の最後にはその著作の中から文章が引かれ、解説が付されている。 読書案内なのだけれども、どうもそれだけではないようだ。まずはいきなり、球面世界についての一話から始まる。理論物理学者ジョージ・ガモフの科学啓蒙書「不思議の国のトムキンス 第5話 脈動する宇宙」に想を得て書かれたというこの導入、幻想的な話に思えるかもしれないが、これは物理なのである。宇宙の曲率、収縮と膨張について書かれたというトムキンスの第5話からインス

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    schadling 2014/10/28
  • そんなことまでわかるのか! 『データの見えざる手 : ウエアラブルセンサが明かす人間・組織・社会の法則』 - HONZ

    そんなことまでわかるのか! 『データの見えざる手 : ウエアラブルセンサが明かす人間・組織・社会の法則』 ビッグデータの時代である。私が生業とする生命科学の分野も例外ではない。全遺伝情報を解析するゲノム(genome)や、タンパク(protein)の発現をまるごと解析するプロテオーム(proteome)など、オーム(-ome)がうるさく幅を利かせるこのごろだ。 『オーム解析』は、私のように、古典的な生物学から研究をはじめ、手作業の分子生物学の時代にしか実験をしてこなかった者にとっては、いささか手強い相手である。生のデータを相手にするのではない。もちろん、元々は個々の生データなのであるが、それを一定のフレームで切り取 り、膨大な数のデータをコンピューターで解析する。 昔の研究は、いってみればここ掘れワンワンみたいなものであって、運と勘、あるいは、目利きといったものが必要であった。しかし、ビッ

    そんなことまでわかるのか! 『データの見えざる手 : ウエアラブルセンサが明かす人間・組織・社会の法則』 - HONZ
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    schadling 2014/09/15
  • マンガ新聞 - 漫画の記事・無料連載・新刊情報・おすすめ漫画レビュー

    『美味しんぼ』における山岡士郎が残した功績を考える (其の二) 2018年09月30日 『この記事を書いたのは誰だーーー!!』 どうもみなさんこんにちは。苦し紛れで書いた『美味しんぼ』レビューがなぜか、マンガ新聞の週間レビューランキングに入っていて驚いています。 しかしながら「なら、...

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    schadling 2014/05/22
  • 『「ひらめき」を生む技術』 MITメディアラボのカルチャー - HONZ

    「次の所長候補」の選考において、MITメディアラボは、伊藤さんに辿り着くまでに300人の面接を行ったそうだ。アメリカ人の学者や研究者から検討を始め、MITは最終的に「ドバイに住んでいる、大学を出ていない日人」を選んだ。 書は、伊藤さんの就任後にメディアラボで始まった授業「カンバセーション・シリーズ」から、4回の対談をにしたものだ。英語の題名は”The Art of Serendipity”だ。「セレンディピティ」について、書には、この様に書かれている。 セレンディピティはこのように、「探していたわけではないけれど何だか面白いものがあるぞ、ラッキー」ということです。 この「ラッキー」をより多く発生させるためにどうすればいいか。そう考えれば、伊藤さんが下記のようにコメントし、自らのネットワークを用いた対談式の授業を行っている理由がわかる。 僕は多様な人材をコネクトさせればさせるほど、ク

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    schadling 2013/12/19
  • 2013年上半期は絵画読み物が大当たり! - HONZ

    2013年の上半期は絵にまつわる読み物が充実していた。ちょっと目に入っただけでも4点あり、それぞれ1,900円、1,600円、2,000円、2,300円。4冊まとめて7,800円の買い物だった。それでも絵画好きにとっては良い選択だと思う。著者は4冊とも日人。この分野の人材が厚いことがよく分かる。 5月15日発売の最新刊『巨匠に学ぶ風景画』のサブタイトルは「名画の謎を解く20のメソッド」だ。その20のメソッドを構図、形、色の3章に分けて説明する。たとえば構図の章には中心型、囲む型、散開型など6つのメソッドを設定し、それぞれブリューゲル、セザンヌ、北斎、デュフィなどの多数の名画を取り上げながら説明するのだ。 中心型ではブリューゲルの「バベルの塔」が真っ先に目に入ってくるが、北斎の「赤富士」も中心崩し型として説明されていて、説明のための説明に陥っていない。囲む型では樹木で囲む、湖湾で囲む、門で

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    schadling 2013/06/10
  • 『伝え方が9割』新刊超速レビュー - HONZ

    ここだけの話、このはめちゃくちゃいいだ!めちゃくちゃいいなんだな、これが! HONZ読者むきのではないけども、HONZの読者にもぜひ読んで欲しい!と思う素晴らしいである。この技術を知ると知らないとでは、人生が大きく変わってしまうかもしれない。ちょっと大げさかもしれないが、それくらいの力を秘めただと私は思う。 このは池上彰さんのベストセラー『伝える力』のような、ものごとをわかりやすく伝える力を養うといったものではない。数々の賞を受賞しているコピーライターの著者が、トライアンドエラーを繰り返した末にうみだした、強いコトバを生みだすシンプルな法則をまとめただ。このはコミュニケーション術のではない、相手の印象に残るコトバを生みだすレシピだ。 就職活動やプレゼンなど、人生の重要なシーンにおいて、伝え方が成否を分けることは多々ある。それなのに、だれもその伝える技術というものを鍛

    『伝え方が9割』新刊超速レビュー - HONZ
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    schadling 2013/03/05
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