幕末期から明治にかけて、近畿圏では立て続けに三つの新しい神様が現れました。奈良の天理教、岡山の金光教ときて、最後に現れたのが京都の大本です。大本の本拠地は2箇所あり、1つは京都府綾部の梅松苑(大本立教の地)もうひとつは同亀岡市にある天恩卿(旧亀岡城址。明智光秀居城跡を出口王仁三郎が買い取ったもの)です。 大本の知名度はそれほど高くありませんが、日本の新興宗教を語る上で大本の存在は非常に重要です。なぜならば、現在ある新興宗教のほとんどは大本の流れを汲むか、大本の教義の影響を少なからず受けているからです。 たとえば、「生長の家」を興した谷口雅春はかつて大本の機関紙の編集主幹をしていましたし、「世界救世教」を興した岡田茂吉もかつては大本の信者でした。「ワールドメイト」の教祖・深見東州もかつては大本の信者だったという話があり、実際ワールドメイトの教義は大本のそれと類似著しいです。 なお「生長の家