近代日本のデザイン文化史 1868‐1926 作者: 榧野八束出版社/メーカー: フィルムアート社発売日: 1992/11メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 3回この商品を含むブログ (1件) を見る 「デザイン」と銘打っているが、デザイナーの名前はほとんど出てこない。むしろ「メディア文化史」とでも言った方が分かりやすいのかもしれない。しかし、やはり「デザイン」とした方が、良さそうである。なぜなら、日本人がいかにして新しいものを手に入れ、生活を変えたのか、という視点だけでなく、それよりもむしろ、日本人がいかにして物に形を与えたのかということに関心がむいているからである。 それゆえに、話は昭和の初めで終わっている。日宣美もインダストリアルデザイナーたちもまだ出てこない。おそらく、彼らが「デザイナー」として活躍できたのは、物の形がある程度、固定化したからであろう。物がどうあるべきかの輪