復興はモノ作りではない。こころに宿る浪江のアイデンティティを喚起する どこにいても、どこに住んでも浪江出身であることから逃れられないし、むしろ浪江町民であることに誇りを感じる。これが3・11を体験して以降、浪江町民に課せられた逃れられない問いに対する答えです。浪江町のあらゆる風景、浪江町のあらゆる思い出、そして浪江町のあらゆる人々。これら何気ないことが混然一体となってあった生活が、今はありません。知らない土地での生活、知らない人たちの中で暮らす、浪江町以外の所で生活する大変さは、被災した人でなければわかりません。そして、故郷・浪江町の素晴らしさを改めて知ることになります。しかし、時の経過は残酷です。経年による忘却は、予想以上に私たちを侵食しています。親しかった人の名前、美しい海山並み、町並みや地名が一つひとつ日を追って記憶から消えていっています。それは浪江町が消えていくことです。 本学部は