水俣病未認定患者を救済するための和解協議が大きなヤマ場を迎えた。 熊本県の「水俣病不知火患者会」が国と熊本県、原因企業のチッソに損害賠償を求めている集団訴訟で、熊本地裁が和解案の大枠となる「所見」を提示した。 和解案の焦点となっている被害者への一時金支給額は1人当たり210万円とした。熊本地裁は原告、被告双方に次回協議の29日に所見についての諾否を明らかにするよう求めている。 国と原告は早期和解を目指して協議を重ねてきた。所見については、それぞれ評価を控えているが、受け入れる可能性が高いとされる。救済への道がようやく見えてきたといっていい。 熊本の和解協議は他の被害者団体の救済策に直結する。新潟地裁に第4次訴訟を起こしている新潟水俣病阿賀野患者会は、熊本地裁の金額提示を評価し、月内にも国との和解協議入りを判断する意向だ。熊本と連携し、早期解決を探ってもらいたい。 ただ、所見で提示