各種ある豚肉料理のなかで、何が一番好きかと聞かれたら「角煮」と答える。トンカツも捨て難いが、やっぱり角煮は外せない。 長時間煮込まれてトロトロに柔らかくなった豚肉は噛まずとも口の中でほろほろと崩れ、脂身の甘さが口いっぱいに広がる。幸せの瞬間だ。…ああ、角煮になりたい。 そんな角煮だが、作るたびに「本当はもっと長時間煮た方がおいしくなるんじゃないだろうか」と思いながら食べてきた。いま食べている角煮は、まだまだ発展途上なのではないか? これからさらにウマくなる可能性を秘めているのでは…。 そんな思いと決別するために、24時間豚を煮てみた。 (高瀬 克子) 豚を煮る週末 事前にネットで調べてみたところ、通販で売っている角煮のキャッチフレーズで目についたのは「10時間煮込んでます!」というものだった。どうやら、それ以上煮込まれた角煮は売られていない模様。 なるほど、10時間も煮ればそりゃ柔らかくな