岸田首相は、月内に経済対策をまとめる方向だが、そこでは、減税措置が大きな焦点となってきた。19日に複数のメディアが報じたところによると、岸田首相は税収の上振れ分を国民に還元するとして、期限付きの所得税減税を検討する方向で調整に入ったという。20日に自民党の萩生田光一、公明党の高木陽介両政調会長らと会談し、指示を出す意向だという。期限付きの所得税減税が経済対策に含まれる可能性は、高くなったと言えるだろう。 大幅な財政赤字を抱える中、税収の上振れ分は財政赤字の削減、国債発行の削減に回すべきであり、減税で国民に還元するというのは妥当ではないだろう。 また、別途物価高対策も講じることから、物価高による国民生活に配慮した減税措置という説明もまた無理があるのではないか(コラム「一段と高まる減税・給付金の議論:4つの選択肢の経済効果試算」、2023年10月10日、「自民党の経済対策提言案:所得減税の明記