原油高の観点では為替は円高の方が好ましい、みたいな声を聞く。日銀支店長会議の会見でもそういう感じの見解が聞かれることがある。部分的にみれば、円高になれば原油価格(ドル建て)は下がるのだが、一方で輸出採算は悪化するので、外需主導の景気回復(していないように思えるが)は抑圧される。従って、経済全体としてはマイナス。これは原油面でのコストプッシュインフレを抑えるために円高というデフレ圧力を全身(経済全体)に浴びるようなもの。部分的火傷を治すために全身に氷を浴びるイメージであろうか。 似た議論として、首都圏バブルを抑制するために利上げする、というものがある。もとより、政策金利は一つであり、地域を選ばない。都市部の地価高騰を抑制する利上げを断続的に行えば、全国に効いてしまう。部分的な病気を治すために全身的な副作用の大きい薬をどんどん飲むようなもので、部分は直っても全身疲弊して倒れてしまう。 利上げし