知り合いの市場関係者の方から、伊藤元重・東大大学院教授のインタビュー記事を送ってもらった。今年の金融政策に関する所見を述べたもので、東京新聞に掲載された。何というか、ある意味で日銀以上に日銀的な所見で、読んでいてちょっと気恥ずかしかったですよ。具体的には以下の部分である。 ①金融政策は金利の上げ下げでなく、他国と比較してどの水準にあるかが重要だ ②日本は0.5%と圧倒的に低く、超緩和状態である ③だから中長期的に金利を上げざるを得ない ④目先の難局を乗り切るために拙速に金利を下げるとやっかいな問題(バブル)を招く ⑤日銀もその点を気にしている ①から③はいわゆる正常化論のたぐいで、また「金利差が円安(バブル)を招く」との発想も垣間見える。日銀は確かに口ではそれっぽいことを言っているが、実際には純粋な意味での正常化論は放棄しており、「第二の柱」のトラップにはまって正常化論的なことを言わざるを