尖閣問題で中国との対立が深刻な事態に発展している。ところが、この事態を喜んでいる官僚達がいる。オスプレイ配備を願う外交、防衛官僚のことではない。原発推進派の官僚達が、この成り行きをうまく利用しようと画策しているのである。 民主党政権が、2030年代の原発ゼロを目指すという方針を打ち出した。選挙目当ての口から出まかせと言っていい内容なのだが、「ゼロ」という言葉の響きは効果絶大。マスコミはこれを大々的に報じた。 民主党のゼロ宣言に対する官僚達の反応はいたって冷静だ。'30年代ゼロと言っても、2039年かもしれないし、ゼロにすると断言しているのではなくて、それを目指して頑張るというだけのことだ。しかもすぐにでも見直すことができるとされている。要するにどうにでもなるという内容だ。 そもそも、民主党政権の余命はあと数ヵ月。次期政権を担う自民党総裁選の方が重要だが、5人の候補は、揃って原発ゼロに反対。