1月20日、ドナルド・トランプ氏が第45代米国大統領に就任しました。選挙戦で展開された方針がどこまで実現されるかは未知数ですが、そうであるがゆえに各国はその動向を注視せざるを得ません。 ただし、保護主義的な貿易政策やヒトの移動の制限は、冷戦終結後に米国自身が主導して作ってきたグローバル化の潮流を否定するもので、それは「グローバル化の終わりの始まり」とも呼べます。以前に述べたように、「米国第一」を掲げ、国際秩序の形成と距離を置くという方針が実現されれば、それは米国が超大国の座を降りることを宣言するものに他ならず、戦後、特に冷戦終結後の国際秩序は大きな転換点を迎えたことになります。 その一方で、より長期的な視点でみたとき、トランプ氏の大統領就任には、もう一つの大きな意味を見出すことができます。それは「先進国の開発途上国化」とでも呼べる現象で、世界全体の西洋化に対する、非西洋世界からのある種の逆