「人間には敵か家族か使用人の三種類しかいない」とは田中真紀子の言葉だが、菅義偉の場合、そこにもう一種類が加わるだろうか。「バッハ様」である。 首相というよりは、「IOC担当大臣」? ――バッハ「感染状況が改善したら有観客の検討を」(14日の菅との面会にて)。 この無理な要望に菅は「ずっとああいうことを言ってくるんだよな……」とボヤくしかなかったという(週刊文春7月21日発売号)のだが、その1週間後、菅は自らこう発言している。 ――菅「感染状況が変わってきたらぜひ、有観客の中でと思っている」(21日の首相官邸で記者団の取材に)。 菅はまるで、ぼったくり男爵ことバッハIOC会長に仕える使用人、あるいは御用聞きのようだ。なにしろ自らが発令した緊急事態宣言の真っ只中でありながら、コロナ感染が拡大し病床逼迫が進む現実に背を向けるのだから、一国の宰相というよりは、IOC担当大臣の趣である。 そんな菅は
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