東北大(仙台市)と宮城県南三陸町は22日、東日本大震災で被災した同町歌津の約2億5000万年前(三畳紀)の地層から、「嚢頭(のうとう)類」と呼ばれる節足動物の化石が国内で初めて見つかったと発表した。 これまでに嚢頭類の化石が見つかったのは、かつて赤道近くにあった地域が多く、分析した東北大の永広(えひろ)昌之名誉教授(地質学)は「発見場所一帯も熱帯だったことの裏付けの一つになる」としている。 化石は、復興事業に伴う残土置き場として削られた丘陵地の斜面から、1・8~4・6センチの200点以上が見つかった。永広名誉教授によると、嚢頭類は4億4000万年前から存在し、その後絶滅。体長は数センチから20センチほどで、海底で小さな魚を捕食していたとされる。化石の一部は町内の仮設図書館などに展示される予定という。