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  • 検索する情報と、咀嚼する知識『人文学概論』

    世の中には、情報を得る本と、知識を得る本があるが、これは後者だ。 情報と知識って、似たようなものに見えるが? 著者に言わせると、明確に区別する必要があるらしい。 情報は「判断を下したり起こしたりするために必要なもの」に過ぎないが、知識は「学問的な成果であって原理的に組織づけられた判断の体系」だという。情報は自分の外部にあるもので、体得され自己化されると知識になる、という構造だ。 本を読むことを「インプットする」と言う人がいるが、喩えるなら、インプットするのが情報で、インストールするのが知識になるとも言える。あるいは、検索するときのキーワードは情報なら、何をキーにするかは知識になる。知識がないと、そもそも何を検索すればよいかすら分からないから。 情報としての「無知の知」 具体例で考えてみる。 たとえば、ソクラテスの「無知の知」について。 検索すればヒットする。ギリシャの哲学者ソクラテスは、知

      検索する情報と、咀嚼する知識『人文学概論』
    • 第3回 「教授」以前の彼(その2)|「教授」と呼ばれた男――坂本龍一とその時代 |佐々木 敦|webちくま

      比類なき輝きを放つ作品群を遺すとともに、「脱原発」など社会運動にも積極的に取り組んだ無二の音楽家、坂本龍一。その多面的な軌跡を「時代精神」とともに描き出す佐々木敦さんの好評連載、第3回の公開です! 1 4週間続いた新宿高校でのストライキ 新宿高校時代の有名なエピソードに、坂本龍一が中心となって行なった「ストライキ」がある。 3年生の秋ごろ、新宿高校でストライキをやりました。69年の秋ですから、当時としては遅い方なんですが、安保条約とかベトナム戦争とか、そういう一般的な問題ではなくて、ローカルな、学校の個別課題に関しての運動でした。たしか具体的な要求を7項目、学校に突きつけました。制服制帽の廃止、すべての試験の廃止、通信簿の廃止、等々。(『音楽は自由にする』) このときのことは、「3バカトリオ」の塩崎恭久と馬場憲治の対談「革命同志・坂本龍一を偲ぶ」(『文藝春秋』2023年6月号)でも語られて

        第3回 「教授」以前の彼(その2)|「教授」と呼ばれた男――坂本龍一とその時代 |佐々木 敦|webちくま
      • 追憶 坂本龍一氏:出会い。原発。デモ。科学技術。社会保障。そして哲学と音楽。

        坂本龍一(さかもと・りゅういち) 音楽家。1952年生まれ。78年「千のナイフ」でソロ・デビュー、同年YMO結成に参加。88年映画「ラスト・エンペラー」でアカデミー賞作曲賞を受賞。常に革新的なサウンドを追求する姿勢は世界的評価を得ている。2006年には新たな音楽コミュニティー「commmons」をエイベックスとともに設立。また、2007年一般社団法人「more trees」を設立し森林保全と植林活動を行なうなど90年代後半より環境問題などへ積極的に関わる。東日本大震災後、「こどもの音楽再生基金」などさまざまな被災者支援プロジェクトに関わるとともに、脱原発を訴える活動をおこなっている。主な作品に「B-2 UNIT」「音楽図鑑」「BEAUTY」「LIFE」「out of noise」、著書に『音楽は自由にする』、共著に『縄文聖地巡礼』、『いまだから読みたい本――3.11後の日本』、『NO NU

          追憶 坂本龍一氏:出会い。原発。デモ。科学技術。社会保障。そして哲学と音楽。
        • 新刊『昭和・平成オカルト研究読本』が出ます | ASIOS

          本城です。 このたび、昭和と平成時代の日本オカルトをテーマとした本、『昭和・平成オカルト研究読本』(サイゾー)が出版されることになりました(Amazonでの発売日は6月29日で、ほかでは7月2日に発売予定)。 今回は改元にあたり、昭和と平成のオカルトを振り返りつつ、考察を深めてみようという本です。 本書では約100年の間に起きた日本のオカルトに絞っていますが、それでもテーマは広く、ページ数はこれまでで最長の464ページになりました。 執筆陣も多く、ASIOSからは秋月朗芳さん、蒲田典弘さん、加門正一さん、ナカイサヤカさん、羽仁礼さん、原田実さん、藤野七穂さん、本城達也、山本弘さん、横山雅司さんが参加され、外部からは有江富夫さん、隈元浩彦さん、塚田穂高さん、中根ユウサクさん、長山靖生さん、新田五郎さん、廣田龍平さん、藤倉善郎さん、幕張本郷猛さん、山津寿丸さん、横山茂雄さんに参加していただきま

            新刊『昭和・平成オカルト研究読本』が出ます | ASIOS
          • アーカイブの思想 | 言葉を知に変える仕組み | みすず書房

            「もし私が彼方まで見通せていたとしたら、それは巨人たちの肩の上に立っていたからだ」――アイザック・ニュートン 日本の社会では、いまなおアーカイブは必須の社会基盤とみなされていないのではないか。こう問いかける著者は、その根底にある要因を、古代ギリシアより言葉を記録する〈アーカイブの思想〉が息づく西洋の思想史・文化史・教育史のなかに探ってゆく。そして翻って、日本独自のアーカイブのかたち(写本、類聚等の出版物や江戸期の文庫など)を再考し、両者を比較することで浮彫りになる課題を問い直す。 デジタルネットワーク社会となった今日、私たちは世界中の知のアーカイブにつながり、それを活用することが可能となった。そこに開かれているのは、情報の荒野なのか、知の沃野なのか――それは、そこに立つ者のスキルと意欲しだいであると著者は述べ、独学と在野の知へ向かう人たちにエールを送る。 個人を助け、社会を支える基盤として

              アーカイブの思想 | 言葉を知に変える仕組み | みすず書房
            • 野阿梓インタヴュー

              日時:1984 年 12 月 5 日 場所:東京・渋谷 インタヴューア:山形浩生・中瀬秀司 (東大 SF 研究会・狂茶党同人) 初出 「野阿梓ファンクラブ会誌・Dead Soldier」創刊号 1986 年 6 月 Introduction 山形:まず、ビブリオ的なことから伺いたいんですが。 野阿:えーと(図を描く)。こんな具合。今年に入ってからは、なーんも書いていない。 1979 debut →花狩人→ハムレット行→雨天 ブルーバードの 飛ぶ 1980 Trial and Terror (600枚)→「SFの本」 1981 銀河赤道祭(1200 枚)→? 1982 眼狩都市 1983 武装音楽祭 山形:では「武装音楽祭」は新作なんですね。それで安心しました。実は、「眼狩都市」まで読んで、野阿梓はダメになる一方だ、という感触があったんですが、「武装音楽祭」は大逆転ホームランでした。実に面白

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