インフレ率以上の賃上げが求められる中、国内アパレル最大手のファーストリテイリングが、国内ユニクロ事業について、役職によって数%から最大40%の賃上げをする方針を今年1月に発表した。人件費が15%増えることになる同社の賃上げの決断が各メディアで話題となった。 国内のアパレル小売業の中では高水準の給与と言われる同社だが、社内事情としては、海外の給与水準に比べて、国内の給与水準が低かったことを是正するのが第一の目的という。 同社がこれまで業界高水準の給与を支払い、さらに、数%どころか、15%の賃上げができる理由と狙いを同社および上場する同業他社の決算書の数字から探ってみたい。 ユニクロの生産性はかなり高い まず、前提条件として、賃上げを行うには、「原資」が必要であることは言うまでもない。 同社の賃上げの原資の1つめは、同社の生産性の高さにある。小売業において生産性を表す数値は、「人時生産性」、つ