東京といっても、23区のような大都会ばかりではありません。奥多摩や高尾山に行くと東京の自然に驚かされますし、また地図を見ると妙なところが東京になっていることにも気づきます。 【地図】多摩川を挟んで、同じ地名が東京と神奈川にあった! 東京都と神奈川県の県境は、まさに複雑怪奇そのものです。東京に住む大半の人は、多摩川を境にして河口から北側が東京都で、南側が神奈川県だと思っているでしょう。 ところが、地図を見るとそうとは限らないのです。 多摩川を越える大師橋(川崎市)よりも少し上流、「大師の渡し碑」があるところでは、右岸の川崎市側に少しだけ東京都があったり、逆に二子玉川では左岸に神奈川県があったりします。この「奇妙な県境」はなぜ生まれたのでしょうか。 その理由は、多摩川の流路の変遷に関係しています。 2019年に発生した台風19号によって20か所あまりの護岸が壊れたことで、本来の多摩川は暴れ川で