JR北海道を皮切りに、JR西日本・東海・九州・四国が導入している転換クロスシート。しかしJR東日本はまだない。いったいなぜなのか。 鉄道の転換クロスシートとは背もたれの向きを変えることで、常に進行方向に向かって着席できるシートだ。リクライニングシートと異なり、背もたれの角度が絶妙によく、快適に過ごせる。また、リクライニングシートなど、ペダルを踏み込んで回転させる座席と異なり、1両あたりの定員が増やせるメリットもある。 その半面、座席背面も背もたれであることから、飲食用のテーブルが設置できない、多くの車両はシートピッチ(座席と座席の間隔)が910mmという狭いデメリットもある。特に窓側席の乗客が目的地の駅で降りる際、通路側の乗客がいったん離席することが多い。 転換クロスシートが全国的に広まるきっかけとなったのは、1987(昭和62)年4月1日の国鉄分割民営化だ。国鉄時代、 「近郊形電車」 と