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堺利彦 政党の検索結果1 - 6 件 / 6件

  • 五〇年間ずっと嘆き続けながら問題を放置した日本社会 - 山下泰平の趣味の方法

    放置され続けた苦学問題 世の中には様々な問題が存在している。問題を解消すると問題は消滅するわけだが、別に死ぬわけでもないだとか、面倒クセーだとか俺は困ってない、テレビでスーツ着た奴がなんかしゃべってたしこの政党で良いのでは? などといった理由で、問題が放置されることは多い。こういうことは昔からあることで、私は諸事情があり戦前の苦学について調べていたのだが、苦学が抱える問題も50年程放置されている。戦前の苦学が抱えていた問題の中には、今もまだ解消されていないものがなくもないため、100年以上としてもいいかもしれない。 戦前の苦学は、完全に破綻している。当時理想とされたスタイルで苦学すると、死ぬか犯罪者になるかの二択である。天才だろうと超能力者だろうと大詐欺師だろうと、苦学には失敗する。 cocolog-nifty.hatenablog.com 早々に逃げればなんとかなるが、馬鹿正直に苦学を続

      五〇年間ずっと嘆き続けながら問題を放置した日本社会 - 山下泰平の趣味の方法
    • 中北浩爾『日本共産党』(中公新書) 8点 : 山下ゆの新書ランキング Blogスタイル第2期

      6月9 中北浩爾『日本共産党』(中公新書) 8点 カテゴリ:政治・経済8点 『自民党―「一強」の実像』(中公新書)や『自公政権とは何か』(ちくま新書)などの著者が今回挑むのは日本共産党。野党共闘の鍵となる存在でありながら、外側からはその内実がよくわからない日本共産党について、その歴史を紐解きながら実像に迫っていきます。 『自民党―「一強」の実像』や『自公政権とは何か』では、基本的に現在の意思決定や選挙対策などをとり上げて分析していましたが、今回の『日本共産党』の記述のメインとなるのはその歴史です。 これは日本共産党が現存する政党の中で最も古い歴史を持ち、その政策や意思決定の過程がかなりの部分、過去の積み重ねによって規定されているからです。 そのため、本書は本文だけで400ページ以上あり、なおかつソ連が崩壊するまでの記述で300ページ近くあります。そのため、個人的には面白く読めましたが、前半

      • 共産主義に関する昭和初期の新聞記事を読む

        前回は大正時代の記事を紹介したが、昭和に入り急速にわが国で共産主義思想が広まっていった。 大正十一年(1922年)に堺利彦、山川均、近藤栄蔵らが日本共産党(第一次日本共産党)を設立し、十一月にコミンテルン*に加盟し、「コミンテルン日本支部 日本共産党」となったが、コミンテルンから天皇制の廃止や、土地の農民への引き渡しなどを指示されて、創立当初から非合法活動とならざるをえなかった。堺利彦らは解党を唱え、大正十三年(1924年)にいったん共産党は解散した。堺や山川らは労農派政党の結成を目指したが、解党を認めなかったコミンテルンの意向を受け、佐野学らが大正十五年(1926年)十二月に日本共産党を再結党(第二次日本共産党)した。 *コミンテルン(第三インターナショナルともいう):1919年,レーニンの指導のもとに創立された共産党の国際組織。30カ国の共産党および左翼社会主義者グループの代表が参加。

          共産主義に関する昭和初期の新聞記事を読む
        • 尾原宏之さんの連載『「反・東大」の思想史』が新潮選書から刊行! | | ニュース | 考える人| シンプルな暮らし、自分の頭で考える力。知の楽しみにあふれたWebマガジン。 | 新潮社

          「考える人」で2018年8月から2020年5月にかけて連載された尾原宏之さんの『「反・東大」の思想史』(※)が、新潮選書から2024年5月22日に刊行されることになりました。4年の歳月をかけて大幅な加筆修正が施され、また新章も追加され、より充実した内容となっております。 本書は、国家のエリート養成機関として設立された「東大」に対して、昂然と反旗を翻した教育者・思想家たちの系譜を紹介しています。慶應義塾、早稲田、京都大学、一橋大学、同志社、法律学校や大正自由教育を源流とする私立大学、さらには労働運動家、右翼まで……はたして彼らが掲げた「反・東大」の大義名分とはどのようなものだったのでしょうか? 「学力」とは何かをめぐる丁々発止のやり取りを読むうちに、日本社会を呪縛する「学歴」の不条理から解放されるような気分が味わえるはずです。東大出身の御厨貴さんも推薦を寄せている、異色の思想史です。 (※)

            尾原宏之さんの連載『「反・東大」の思想史』が新潮選書から刊行! | | ニュース | 考える人| シンプルな暮らし、自分の頭で考える力。知の楽しみにあふれたWebマガジン。 | 新潮社
          • ファシズムと結びつき軍部が政治力を強めていく頃の新聞記事を読む~~ファシズム2

            昭和七年には物騒な記事が多いのだが、この年の二月に井上準之助、三月に団琢磨が暗殺され、五月に五・一五事件が起きている。以前このブログで五・一五事件を起こした海軍の青年将校が記した檄文を紹介させて頂いたが、この檄文を読めば彼らが共産主義思想の影響を受けていたことは明らかであった。 前回は大正時代の記事を紹介したが、昭和に入り急速にわが国で共産主義思想が広まっていった。 大正十一年(1922年)に堺利彦、山川均、近藤栄蔵らが日本共産党(第一次日本共産党)を設立し、十一月にコミンテルン*に加盟し、「コミンテルン日本支部 ... ところがその年の十一月には、右翼団体がテロを企てたとして検挙されている。面白いことに、彼らは五・一五事件のメンバーと繋がっていたことが報じられている。 昭和7年11月6日 神戸新聞 神戸大学経済経営研究所所蔵 新聞記事文庫 十一月五日に検挙された人物の検挙理由の一つに「五

              ファシズムと結びつき軍部が政治力を強めていく頃の新聞記事を読む~~ファシズム2
            • 【2021年再掲】近代日本に於ける思想と文学の社会性の起源についての考察――人生相渉論争を基準にした思想と文藝の存在意義について―― - 夢現抄

              以下は、2013年に友人のラッコ君(twitterID: @rakkoannex)の『概念迷路』という雑誌に寄稿した「近代日本に於ける思想と文学の社会性の起源についての考察――人生相渉論争を基準にした思想と文藝の存在意義について――」の再掲となります。 「近代日本に於ける思想と文学の社会性の起源についての考察」再掲に当たっての弁明 - 夢現抄 上述の弁明の通り、アナキストとなった現在では当時とは考えが異なる部分や、ぎこちない文体など修正したい箇所が多々あるのですが、最小限の修正に止めてあります。「文科の学(純文学のみならず、歴史学、哲学、社会科学を含む明治時代までの「文学」が指していた意味です)の社会的意義存在意義とは何なのか?」というテーマについて、何かしらの考える材料となってくれれば望外の喜びです。 一.序言 元来本稿は、論文として書く構想を持っていたものであった。しかし、書き進める内

                【2021年再掲】近代日本に於ける思想と文学の社会性の起源についての考察――人生相渉論争を基準にした思想と文藝の存在意義について―― - 夢現抄
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