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著者: 鳥羽和久 , ジェーン・スー 80代の父を「ビジネスライク」にサポートする娘の記録を綴った『介護未満の父に起きたこと』(新潮新書)を8月に刊行したジェーン・スーさん。福岡で、単位制高校・オルタナティブスクール・書店を併設したユニークな学習塾を運営し、『それがやさしさじゃ困る』(赤々舎)を9月に刊行した鳥羽和久さん。「推し活」をきっかけに出会った二人が、介護、子育て、教育から見えてくる関係性や幸せの在り方について語ります。 (2025年11月5日、本屋B&Bトークイベントにて) 構成:鮫島さやか ジェーン・スーさんと鳥羽和久さん 自他の境界線をしっかり引く ジェーン・スー(以下スー) もともと鳥羽さんと私は、鳥羽さんがBTSのファンで、「推し活とファンダム」の危うさについて書いていらっしゃった原稿をSNSで紹介させていただいたのがきっかけ。私が推し活という沼に落ちたことについて雑誌『
著者: ジェーン・スー , 村井理子 「介護未満」の80代父を「ビジネスライクに」サポートするジェーン・スーさん。6年にわたって「義父母の介護」に奔走している村井理子さん。家族構成は大きく違うけれど、それぞれの経験を『介護未満の父に起きたこと』『義父母の介護』(ともに新潮新書)としてまとめたふたりが、介護に求められる女らしさへの違和感から現代の介護システムの問題、自身の老後の不安までを本音で語ります。 【第1回】介護と家族の境界線(11月12日配信) 【第2回】介護が「女らしさ」の落とし前?(11月19日配信) 【第3回】介護の苦労を浄化するための方法(11月26日配信) 【第4回】私たちは「老後」をどう生きるか(12月3日配信) 構成=山野井春絵 (2025年8月29日、新潮社クラブにて) (第1回 介護と家族の境界線)はこちらへ ケアする能力がプリセットされた女性たち 村井 私は19歳
著者: ジェーン・スー , 村井理子 「介護未満」の80代父を「ビジネスライクに」サポートするジェーン・スーさん。6年にわたって「義父母の介護」に奔走している村井理子さん。家族構成は大きく違うけれど、それぞれの経験を『介護未満の父に起きたこと』『義父母の介護』(ともに新潮新書)としてまとめたふたりが、介護に求められる女らしさへの違和感から現代の介護システムの問題、自身の老後の不安までを本音で語ります。 【第1回】介護と家族の境界線(11月12日配信) 【第2回】介護が「女らしさ」の落とし前?(11月19日配信) 【第3回】介護の苦労を浄化するための方法(11月26日配信) 【第4回】私たちは「老後」をどう生きるか(12月3日配信) 構成=山野井春絵 撮影=曽根香住(新潮社) (2025年8月29日、新潮社クラブにて) 村井理子さん(左)とジェーン・スーさん(右)。約2年ぶりの対面 それで、
著者: 南直哉 なぜこの世に生まれてきたのか? 死んだらどうなるのか?――その「答え」を知っているものなどいない。だから苦しい。だから切ない。けれど、問い続けることはできる。考え続けることはできる。 出家から40年。前著『苦しくて切ないすべての人たちへ』につづいて、「恐山の禅僧」が“生老病死”に本音で寄り添う、心の重荷を軽くする後ろ向き人生訓。 今から20年ほど前、私はまだ修行道場に在籍したまま、寺の住職になった。檀家が30軒ほどで、浄土真宗の金城湯池(きんじょうとうち)とも言われる北陸の地、本山のお膝元でありながら、曹洞宗の我が寺は、今も浄土真宗の大海に浮かぶ小島のようなものである。 すると、檀家でも、他の地区から嫁いできた女性などは、実家が真宗のことも多い。信心深い親に育てられ、釈迦牟尼仏(しゃかむにぶつ)を本尊とする曹洞宗の仏壇の前でも、「ナンマンダブ、ナンマンダブ」と熱心に念仏する
「男性は雑談が苦手だ」という話をよく耳にする。もちろん人によるというのが大前提ではあるが、あまりによく聞くので、考えてみたい。 わたしのところに雑談をしにくる方は、わたしが女性だということもあってか、9割以上が女性だ。そんな中、話をしにきてくれた男性と、こんな話をしたことがある。 * 「普段、雑談ってしますか?」 「働き始めてからは少しするようになったし、仲のいい友達とも話せるようになったけど、学生の頃まではぜんぜんできなかったんです」 「そうなんだ。雑談する必要がなかったのかな」 「友達と会話はするんですけど、みんな自分の話をすることはほとんどなかったんじゃないかな」 「ああ、何人かで共通の話題となると、コンテンツや他人について話すことになるよね」 「はい。それに、自分のこと語り出すの“サムい”みたいな空気があった気がする」 「そうなんだね。1対1で話すときもそんな感じ?」 「まず1対1
著者: 國分功一郎 , 中島岳志 哲学者・國分功一郎さんの『中動態の世界 意志と責任の考古学』がついに文庫化! それを記念して、政治学者・中島岳志さんとの対談をお送りします。 対談は6年前、2019年1月に実施。当時、東京工業大学(現・東京科学大学)の「同僚」で、かつ「同学年」のふたりが、それぞれの著作(『中動態の世界』や『親鸞と日本主義』など)について語り合いました。『中動態の世界』で國分さんが、「いまわれわれは言語と思考の関係を社会や歴史のなかで考えるという、ある意味では当たり前の出発点に立っている」と述べたように、「言葉」についてスタートした対談は、やがて政治や思想といった領域にまで広く深く展開していきます。知性と覚悟にみちあふれた濃厚な議論をお見逃しなく! 【第1回】 言葉はどこからやって来るのか――中動態と与格構文(4月4日配信) 【第2回】 尻の政治――立憲主義と民主主義(4月
著者: 山野井春絵 「LINEが既読スルー」友人からの突然のサインに、「嫌われた? でもなぜ?」と思い悩む。あるいは、仲の良かった友人と「もう会わない」そう決意して、自ら距離を置く――。友人関係をめぐって、そんなほろ苦い経験をしたことはありませんか? 自らも友人との離別に苦しんだ経験のあるライターが、「いつ・どのようにして友達と別れたのか?」その経緯を20~80代の人々にインタビュー。「理由なきフェイドアウト」から「いわくつきの絶交」まで、さまざまなケースを紹介。離別の後悔を晴らすかのごとく、「大人になってからの友情」を見つめ直します。 ※本連載は、プライバシー保護の観点から、インタビューに登場した人物の氏名や属性、環境の一部を変更・再構成しています。 さようなら、美しきママ友よ いつからか、彼女からのLINEの返信は遅れがちになった。おやなんだか様子がおかしいな、と気づいたころには、もう
著者: 平野紗季子 , 稲田俊輔 衝撃のデビュー作『生まれた時からアルデンテ』から10年、平野紗季子さんのエッセイ集『ショートケーキは背中から』(新潮社)が2024年8月に発売されました。その刊行を記念し、青山ブックセンターで行われたトークイベントを記事化いたしました。ゲストに迎えるは、平野さんが「味のオーソリティ」と呼ぶ“食のパイセン”稲田俊輔さん。気心知れたふたりが、炊き合わせやちくわぶといった料理や食材から、「読書食べ」や「狭間のスパゲティ」といった新概念まで、食について縦横無尽に語ります。 「ようやく刊行されましたね(笑)」と稲田さん(左)。和やかにイベントがスタート 炊き合わせはパフェである? 平野 平野紗季子と申します。今日はお集まりいただきありがとうございます。 私にとっての味のオーソリティである稲田俊輔さんに、ぜひ本書を紐解いていただきたくお招きしました。 稲田 デビュー作
著者: 土井善晴 『一汁一菜でよいという提案』がベストセラーになり、「一汁一菜」を実践する人が増えてきました。土井先生の毎日の実践を、旬の食材やその日の思考そのままに、ぎゅっと凝縮するかたちで読みたい! というたくさんの声を背景に、土井先生に、日々の料理探求を綴っていただきます。四季折々にある料理の「基準」とはなにか、ぜひ味わって、そして、自分なりの料理に挑戦してみてください。 「秋茄子は嫁に食わすな」と言う。その意味は、アクが強くなった秋茄子が、初産前の嫁の体に障らぬようにと思いやる親心だ、などという。強いアクで種子をガードして、微生物から子(種)を守る免疫力がアクの正体かもしれない。 そろそろ栗が実を落とす季節。鋭いトゲの毬、硬い鬼皮、渋皮、と三重なのは、よほど大切なものを守っているのか。毬がはぜて実を落としたとき、鬼皮はまだ柔らかく爪で剥ける。渋皮は白く、生のまま食べても実の甘さが楽
著者: 河野有理 , 森本あんり 尾原宏之さんの「考える人」連載をまとめた『「反・東大」の思想史』が、新潮選書から刊行されました。刊行を記念して、東京大学の出身で、尾原さんと同じく日本思想史を専門とする河野有理・法政大学教授と、『反知性主義:アメリカが生んだ「熱病」の正体』(新潮選書、2015年)の著者、森本あんり・東京女子大学学長が、本書をめぐって対談しました。 (「前編 東大の学費は値上げすべきなのか?」はこちらから) 日本の知的伝統は「反・科挙」? 森本 アメリカの反知性主義には、「神の前ではみな平等である」というキリスト教的な軸があります。だから、ハーバード大学やプリンストン大学の出身者と対峙しても、一歩も引かない強さがある。もし「反・東大」が日本版の反知性主義だとするなら、何がその思想的な軸となるのでしょうか? 河野 その軸をひと言で説明するのは難しいのですが、私のような日本思想
著者: 河野有理 , 森本あんり 尾原宏之さんの「考える人」連載をまとめた『「反・東大」の思想史』が、新潮選書から刊行されました。刊行を記念して、東京大学の出身で、尾原さんと同じく日本思想史を専門とする河野有理・法政大学教授と、『反知性主義:アメリカが生んだ「熱病」の正体』(新潮選書、2015年)の著者、森本あんり・東京女子大学学長が、本書をめぐって対談しました。 日本における「反知性主義」? 河野 尾原宏之さんの『「反・東大」の思想史』(以下、『反・東大』と表記)を読んで、この本をめぐって対談をするなら、ぜひ『反知性主義』の著者である森本あんりさんにお願いしたいと思いました。というのも、まさにこれは日本版の『反知性主義』として読めますし、またそのように読むべきだと思ったからです。 森本 ありがとうございます。アメリカにおける反知性主義(anti-intellectualism)とは、名門
突然のことで驚かせてしまうかもしれないが、愛犬ハリーが亡くなった。 今年2月に癌が発覚した時点ですでに末期で、手の施しようもなく、余命はわずかだろうと獣医師には言われた。ハリーはその状態でも、食べ、歩き、走り、琵琶湖に飛び込み、枝を拾っていた。そこまで体重を落とすこともなく、ピカピカで立派な姿のまま旅立っていった。7歳だった。 実は、ハリーはこれが初めての闘病ではなかった。二度目だ。前足に悪性腫瘍が見つかったのは、わずか4歳のとき。手術をして、なんとか切り抜けたと思ってはいたものの、4歳という若さでの罹患、そして大型犬であるということを考えると、気をつけなければいけないだろうと考えていた。手術後も、体の表面にいくつも腫瘍ができた。すべて良性だったが、細胞診は何度もやった。そんなこんなで、ハリーはずいぶん動物病院にはお世話になった犬だった。 人好きで、明るくて、なにより泳ぐのが好き。気のいい
著者: 桜林直子 桜林直子さんの連載「あなたには世界がどう見えているか教えてよ 雑談のススメ」が、『あなたはなぜ雑談が苦手なのか』として、11月17日に新潮新書より発売されます! 「自分の話がうまくできない」「いつも聞き役ばかり」……そんな悩みに、これまで3000回以上のマンツーマン雑談を行ってきた桜林さんがこたえます。よい雑談の条件やそのメリット、話が苦手な人の共通点とは? そのエッセンスをやさしく伝える雑談入門です。 本書の刊行を記念して、「はじめに」と、雑談を“仕事”にしたきっかけを綴った「「雑談サービス」はじめます。」を公開いたします。 2020年のはじめに「雑談」を仕事にしてから5年半が経つ。マンツーマンで1回90分の雑談を、今までのべ3000回以上している。始めた頃は別の仕事をしていたこともあり、ゆるく続けられるといいなという感じだったのだが、今ではすっかり本業となり、毎日いろ
著者: 稲田俊輔 , マキタスポーツ 「エリックサウス」総料理長・稲田俊輔さんの新刊『お客さん物語 飲食店の舞台裏と料理人の本音』(新潮新書)の刊行を記念して、芸人・俳優・文筆家として活躍中のマキタスポーツさんとの対談が、青山ブックセンター本店にて行われました。 たくさんの共通点が見つかった前編に続き、「10分どん兵衛」「汁への偏愛」「バイキングは難しい」など、まだまだ話の尽きない「食の変態対談」後編をお送りいたします。 マキタスポーツ氏(左)と稲田俊輔氏(右) 「10分どん兵衛」vs.「10分満水どん兵衛」 稲田 マキタさんと言えば、忘れてはいけないのが「10分どん兵衛」ですね。話題になってすぐに僕も真似をしました。 マキタ 経緯は連載にも詳しく書きましたが(「第2回 『10分どん兵衛』の誕生」)、あれはもともと恥ずかしいものだったんです。山梨から上京したての1988年、大学に馴染めず、
著者: 岡田暁生 , 片山杜秀 , 吉田純子 音楽学者の第一人者・岡田暁生さんと、博覧強記の音楽評論家の片山杜秀さんの対談本『ごまかさないクラシック音楽』(新潮選書)の刊行を記念して、朝日新聞の吉田純子さんを司会役に、著者の二人が「戦争と音楽」について語り合いました。ロシアによるウクライナ侵攻の最中、音楽はいかなる役割を果たしうるのか――。 ※この記事は、2023年7月1日に朝日カルチャーセンター新宿教室で行われた講座「戦争と音楽」(出演:岡田暁生・京都大学教授、片山杜秀・慶應義塾大学教授、司会:吉田純子・朝日新聞編集委員)の一部をテキスト化し、加筆修正を施したものです。 (前編はこちらから) リュビモフの「命がけの音楽」 左から岡田暁生さん、片山杜秀さん 岡田 さて、今ロシアとウクライナの音楽シーンで何が起きているのか、ネット上で拡散された2つの動画を参考にしながら考えてみたいと思います
著者: 岡田暁生 , 片山杜秀 , 吉田純子 音楽学者の第一人者・岡田暁生さんと、博覧強記の音楽評論家の片山杜秀さんの対談本『ごまかさないクラシック音楽』(新潮選書)の刊行を記念して、朝日新聞の吉田純子さんを司会役に、著者の二人が「戦争と音楽」について語り合いました。ロシアによるウクライナ侵攻の最中、音楽はいかなる役割を果たしうるのか――。 ※この記事は、2023年7月1日に朝日カルチャーセンター新宿教室で行われた講座「戦争と音楽」(出演:岡田暁生・京都大学教授、片山杜秀・慶應義塾大学教授、司会:吉田純子・朝日新聞編集委員)の一部をテキスト化し、加筆修正を施したものです。 左から吉田純子さん、岡田暁生さん、片山杜秀さん 反復する歴史 吉田 今日はこんなに大勢の方に集まっていただいて、本当にありがとうございます。 岡田暁生さんと片山杜秀さんのお二人は、言うまでもなくクラシック音楽の専門家です
著者: 池口龍法 28歳で結婚。2児の父となったお寺の住職が、いろいろあって離婚。シングルファザーとしての生活が始まった。読経はお手のものだが、料理の腕はからっきし。お釈迦さまも、オネショの処理までは教えてくれない。かくして子育ての不安は募るばかり……。一体どうやって住職と父親を両立すればいいのか!? 「浄土系アイドル」「ドローン仏」などが話題の、京都・龍岸寺の住職によるシングルファザー奮闘記! お坊さん、結婚を決意する 「結婚することにした」 27歳のある日のこと。ぶっきらぼうに、両親にそう報告した。 いや、報告したというより、宣戦布告に近かった。 私に交際相手がいたことぐらいは両親も知っていたし、顔を合わせたことぐらいあったが、結婚について相談したことはなかった。それなのに、あくまで決定事項として淡々と伝えた。 両親は、あからさまに不機嫌だった。 「考え直す気はないのか」 やばい。逆風
著者: 滝口悠生 ここ数年、たくさんの人が様々な形で日記を書き、本にする、いわば「日記/日記本ブーム」が起こっています。日記本を集めて販売する催しが開かれ、日記を専門に扱う書店も注目されているようです。 今回は、そのような日記/日記本ブームの中心人物と言えそうな芥川賞作家の滝口悠生さんに、日記の魅力はどんなところにあるのか、とりわけ日記を「読む」ことに焦点を当てて、ご執筆いただきました。 他人の日記を読むこと 日記を読むのはおもしろい。そこには自分とは違う他人の生活の様子が記されている。他人の生活の様子なんか知ってなにがおもしろいんだと思う向きもあるだろうが、日記を読むのは他人の生活を「知る」ことではない。他人の生活を「読む」ことが、日記を読むおもしろさだ。 たとえば日記の形式をとった旅行記とか体験記ならば特別な出来事の記録という側面もあるだろうし、あるいは著名人なんかの日記を読むときには
著者: 今井むつみ , 高野秀行 「言語はジェスチャーゲーム(言葉当て遊び)のようなものだ」という画期的な見方を提示して話題になっている『言語はこうして生まれる』(モーテン・H・クリスチャンセン、ニック・チェイター著)。本書について、辺境ノンフィクション作家の高野秀行氏と、慶應義塾大学SFC教授の今井むつみ氏が語り合った。後半はオノマトペとアブダクション推論から言語習得を考えます。 (前篇はこちらから) 高野 今井先生も最近『言語の本質』(秋田喜美氏との共著)という本を出されましたよね。 今井むつみ・秋田喜美『言語の本質 ことばはどう生まれ、進化したか』(中公新書) 今井 はい。この本では、どうやって言語の多様性が生まれ得るんだろうかということを真剣に考えてます。『言語はこうして生まれる』が出るとは知らずに書いたものなんですが、根っこが同じだから、言いたいことはすごく似ていると思いました。
著者: 今井むつみ , 高野秀行 「言語はジェスチャーゲーム(言葉当て遊び)のようなものだ」という画期的な見方を提示して話題になっている『言語はこうして生まれる』(モーテン・H・クリスチャンセン、ニック・チェイター著)。 本書にいち早く反応したのが辺境ノンフィクション作家の高野秀行氏だ。世界の辺境を訪れて25以上の言語を実践的に習得してきた経験を『語学の天才まで1億光年』として昨年上梓した高野氏は、自らの言語観が本書と非常に近かったことに驚いたという。 そんな高野氏の言語習得にかねてから注目していたのが慶應義塾大学SFC教授の今井むつみ氏。本書の原著者とはお互いの研究に刺激を受けてきた仲で、共通するテーマに取り組んだ『言語の本質』を最近出版した(秋田喜美との共著、中公新書)。 この度、高野氏と今井氏の対談が実現。3冊の本を題材に、言語について縦横に語り合った。 高野 今井先生は、著者のモー
1963年、日本クラウンへ移籍 前回から間が空いてしまった。前回は、デビューから1963年の紅白初出場までを駆け足で辿ってきた。勢いがつきすぎて、きわめて重要なトピックに言及していなかったことに後から気づいた。 1963年の紅白初出場時には、北島三郎はすでに日本コロムビアの専属歌手から、新たに設立されたばかりの新会社・日本クラウンに移籍していたのだ。その経緯は後に詳述するが、レコード事業部長として常務取締役だった社歴40年の伊藤正憲(1900-1992)が、元大蔵事務次官の著名な財界人で、株主の意向でコロムビアに送り込まれた会長・長沼弘毅(1906-1977)と対立し、「勇退」させられたことにはじまる。伊藤を慕う有力な社員ディレクターたちは、彼の辞職を不服とし、彼らが担当する専属作家・歌手を引き連れて新会社・日本クラウンを設立した。そのなかに、五月みどりや守屋浩と並んで北島も含まれていた、
著者: マキタスポーツ 「考える人」で連載していたマキタスポーツさんの「土俗のグルメ」が、『グルメ外道』として新潮新書より3月17日に発売となりました。10年前に自身のラジオで提案すると大バズりした「10分どん兵衛」や「窒食」「志村けんに教わった水割り」「私のモスバーガー物語」など、積年の思いをこめて、“食”へのこだわりを書き切っています。 本書発売を記念して、「はじめに――胃袋の夜明け」を公開いたします。世間の流行や他人の評価に背を向け、己の舌に忠実に“食道”を追求――それ即ち「グルメ外道」なり。マキタさんの「美味しい能書き」をお楽しみください。 自分が“主役” 大事なことは、私が「美味い」と思うかどうかだ。話題の行列店やグルメ情報、識者による評価は重要ではない。 それが私の本音で、上等だの、下等だのと、メシを区別するのも苦手だ。 21900食。50歳を超えた私があと20年生きたとして、
著者: マキタスポーツ , ヤマザキマリ *1月13日にスタートするマキタスポーツさんの新連載「土俗のグルメ」を記念して、2019年に収録したマンガ家・ヤマザキマリさんとの対談を再掲いたします。ヤマザキさんが同年に刊行した食をめぐるエッセイ『パスタぎらい』(新潮新書)の話題から、お互いの趣味嗜好について縦横無尽に語っています。 山梨は日本のイタリア!? マキタ 『パスタぎらい』面白かったです。僕もよく食べ物について書いたり、話したりしますが、何をどのように語るか、なかなか難しいジャンルですよね。でも、ヤマザキさんのこの本は、読んですぐにこの人とは肌というか舌が合うなと思いました。 ヤマザキ ありがとうございます。長くイタリアに住んだ経験をもとに書くとなると、「イタリア料理がいかにすばらしいか」とか薀蓄を求められがちですが、そんなことを書くつもりは最初から全くなくて。あげく、タイトルは『パス
美空ひばりに憧れて 北島三郎は1936年10月4日に北海道上磯郡知内(しりうち)村(現在は知内町)で、7人きょうだいの長男として生まれた。知内は函館から50kmほど西の津軽海峡沿いの漁村で、生家は祖父の代には網元としてかなり豊かだったが、父の代には半農半漁の厳しい生活だったという。歌自慢の祖父が子守唄がわりに歌う江差(えさし)追分(おいわけ)をおぶられて背中で聞いたことを、自身の歌手になる原点としている。 北島三郎の代表曲のレコードジャケット(著者私物、撮影・新潮社) 参考までに近い年代の有名人を挙げておこう。石原裕次郎が1934年、エルヴィス・プレスリー、寺山修司、美輪明宏が1935年、長嶋茂雄が1936年の早生まれ。北島と同学年になる1937年の早生まれでは阿久悠、江利チエミ、雪村いづみ。島倉千代子とこまどり姉妹が1938年早生まれ、小林旭、なかにし礼が1938年。ちなみに五木寛之は1
録音と実演の分裂――「はやり唄」から「はやらせ唄」へ 今回は、昭和初期における外資系レコード産業の日本市場参入と、「声はすれども姿は見えず」を特徴とする「流行歌」の成立について概観したうえで、そこから逸脱する雑多な実演に由来する要素が、戦後、部分的に取り入れられてゆく過程についてみてゆく。そのうえで、1962年の北島三郎のデビューを、そうした巷の芸態の流入と、レコード会社専属制度の動揺という文脈のなかに位置づけてみたい。つまり、サブちゃんの個人史ではなく、文化史および産業史に注目して、北島三郎登場の背景とその意義を探る、ということになる。 北島三郎の代表曲のレコードジャケット(著者私物、撮影・新潮社) 大正時代、関東大震災前後には、異種混淆的な実演に基づく音と声の表現の文化が形成されていた。浪花節、安来節(やすきぶし)、女剣劇、書生節、映画説明と和洋合奏、小唄映画、といった、在来の芸態に近
「西洋とそれ以外」の再生産 前回は勢いまかせにかなり大きな話をしてしまったので、端折ったところも多く、われながら説明不足の感は否めない。先行研究と学説史の迷宮に入り込まない程度に文脈を補足したうえで、日本におけるレコード会社製流行歌の具体的な形成過程を参照しながら、「在地音楽としての艶歌」という本連載の主題の可能性と困難について考えてみたい。 北島三郎の代表曲のレコードジャケット(著者私物、撮影・新潮社) 前回の結論として私は次のように記した。 サブちゃんの決まり文句、「アメリカにはジャズ、フランスにはシャンソン、そして日本には艶歌」を、「韓国にはトロット、タイにはモーラム、インドネシアにはダンドゥット、ナイジェリアにはアフロビート、モロッコにはグナワ、コロンビアにはクンビア、マルティニークにはズーク(以下略)、そして日本には艶歌」のように拡張し、その音楽と実演の魅力を、欧米に留まらず世界
(*本連載について) 女性を型にはめる「聖と魔」の理論 父権社会で男性たちが自分の理解を超えた女性の力に出会ったとき、対処に困った彼らは女性たちにレッテルを貼ってきた。一つは、天上と通じるような人間離れした「聖性」であり、もう一つは、理性を超えた狂おしい「魔性」だ。このふたつは紙一重の部分があり、ときに反転する。異才の女性が女神から魔女に転落することは、現代でもよくあるだろう。集団でのレッテル貼りは「他者」をコントロールする手段の一つだ。 前回紹介したインゲ・シュテファンの『才女の運命』を再び参照しよう。ファム・ファタール“ごっこ”とその妄想が、激烈な毒性を発してしまった一例が、アメリカの作家ゼルダ・フィッツジェラルドとスコット・フィッツジェラルドの夫婦関係だ。出会ったころの十八歳のゼルダは、自ら率先してファム・ファタールを演じ、スコットは彼の小説から抜けだしてきたような女と電撃的に恋に落
著者: 津村記久子 , 岸本佐知子 『華麗なるギャツビー』『ゴドーを待ちながら』『ボヴァリー夫人』……名前は聞いたことあるけど、実は読んだことのない名作ありませんか? そんな作品たちと真っ向から向き合ったのが作家・津村記久子さん。時にはツッコミを入れながら、古今東西92作の物語のうまみと面白みを引き出した世界文学案内『やりなおし世界文学』の刊行を記念して、翻訳家・岸本佐知子さんとの対談が実現。読み巧者の二人ならではの翻訳文学の楽しみ方を軽妙に語り合いました。 津村記久子『やりなおし世界文学』(新潮社公式HPはこちらから) 名前は知っているけれど、読んだことのない本 津村 名前は知っているけれど、中身のよくわからない本を読んでみるというのが『やりなおし世界文学』の始まりで、「本の時間」という雑誌でスタートし、その後に「波」、Webマガジン「考える人」で連載していたものが今回一冊にまとまりまし
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