最近はAIを、外部記憶、あるいは脳を拡張するための道具として利用している。 私は今「苦学」と「無銭旅行」にまつわる本を書いているんだけど、当然ながら徳富蘇峰や杉浦重剛、日本の鉄道制度などが登場する。例えば徳富蘇峰については、名前くらいは知っている。一般的に評価されている仕事については、ほとんど知らない。しかし彼が清貧をどう捉えていたか……これは逆に一般的には知られていない知識なのだが……については、そこそこ知っている。つまり、知識がかなり偏っている状態だ。 知らないことは不安なので、調べないといけない。しかし活動が広範にわたっている人物や、巨大な組織もあって、すべてを把握するのは難しい。これまでは、こういう時には、できる範囲内で実資料を読み込んできた。しかし徳富蘇峰なんかはものすごい量の文章を書いている。たかだか数百文字を書くために全部読むというのは、ちょっと無理がある。仮に全部読んだとし