今回のお題は007シリーズの第2作「007 ロシアより愛をこめて」(1963)ということでお願いいたします。007というと、前回の連載(単行本『仕事に必要なことはすべて映画で学べる』)でも「007 スカイフォール」(2012)を取り上げていました。そして次回作(「007 ノー・タイム・トゥ・ダイ」)も公開直前です。 押井:「スカイフォール」は素晴らしかったね。でも次の「007 スペクター」(15)はダメだった。たぶん元の路線に戻そうとしたんだろうけど、「スカイフォール」に比べて格落ちしすぎ。いくらなんでもスカスカすぎる。「スカイフォール」ではあのおばちゃんの「M」も死んじゃったし、シリーズの継続性というか、007を続ける意味ってどこにあるのか、という思いはある。 もはや歴史の記憶装置としての役割を終えたシリーズ、ということでしょうか。 押井:だからもうやめてもいいじゃん、というのが今日のお