練習の合間に記者の質問に答える指揮者の小澤征爾さん=京都市左京区の京都コンサートホールで2009年4月5日、望月亮一撮影 世界的指揮者の小澤征爾さんが2月6日に88歳で亡くなった。「世界のオザワ」と呼ばれ、変幻自在の表現は聴衆を魅了し続けた。近現代の日本人音楽家に詳しい音楽評論家で、慶応大教授の片山杜秀さんに聞くと、その豊かな音楽性を生み出した土台には、スタイルの異なる師匠らに育まれた、唯一無二と言える流儀があった――。片山さんへのインタビューを上下2回にわたって伝える。【聞き手・須藤唯哉】 下はこちらです。 小澤征爾さんは戦後日本の“アイコン” 20世紀後半を代表する世界的指揮者 当たり前のことですが、小澤さんは日本だけでなく、世界全体で見ても、20世紀後半を代表する大指揮者です。それから、もう一つ注目すべきなのは、日本が生み出した特別な人物だということです。 ただ、名指揮者のヘルベルト