徴用工判決への報復措置、「平和の少女像」展示への圧力、そしてメディアの狂奔 今年(2019)年夏、とりわけ韓国にまつわる事柄に関連して起こった一連の事態は、今の日本の政治と社会が抱えている様々な歪みを、極端かつ醜悪な形で表出させたものだった。 昨年10月に韓国の大法院(最高裁)が、第二次大戦中に徴用され強制労働させられた元徴用工が新日鉄住金に損害賠償を求めた訴訟で訴えを認めたことで、日本政府は7月1日、日韓請求権協定で請求権問題は解決済みのはずなのに韓国がその約束を破り、「日韓の信頼関係が著しく損なわれたと言わざるをえない状況だ」として、韓国に対する輸出の優遇措置を見直し、半導体の製造などに使われる原材料3種について輸出の規制を強化するという異例の措置に出た(「半導体などの原材料 韓国への輸出規制強化」)。 政府は、世界貿易機関(WTO)協定に反する報復措置とみられることを意識してその後こ