駅前などの広場で、聖書を掲げて布教活動をする「エホバの証人」の信者たちを見たことがあるかもしれない。日本では「輸血の拒否」や「親による子供へのむち打ち」などが問題となってきた。「エホバの証人」とはどういった組織なのかを、宗教学者のマシュー・シュマルツが解説する。 2023年3月9日、ドイツのハンブルクにて胎児を含む7人が殺害された。警察など当局の発表によれば、この「凶悪事件」は、その夜に催されたある宗教的儀式の直後に発生した。「王国会館(キングダム・ホール)」と呼ばれるエホバの証人の集会場で起こったこの凶行では、さらに複数の負傷者が出ている。銃撃の犯人と目される人物は、エホバの証人の元信者だったと伝えられた。 この事件をきっかけに、世界239ヵ国に約869万人の信者を擁する同組織に注目が集まっている。同組織の記録によれば、ドイツには17万人以上の信者がおり、2020ある「会衆」と呼ばれるグ