日本車が圧倒的シェアを誇り、日系自動車メーカーの金城湯池といわれる東南アジアで、世界的な電気自動車(EV)普及の波に乗った中国など外国勢が攻勢を仕掛けている。日本の基幹産業である自動車の重要な牙城を守れるのか-。インドネシアと並ぶ東南アジアの二大自動車市場の一つ、タイから現状を報告する。 【写真】若者を中心に人気が出始めているEV 中国勢が半額程度で攻勢 EVへの補助金も追い風 タイの首都バンコクの郊外にある巨大な展示場。昨年12月に12日間にわたって開かれた「モーターエキスポ」で目立っていたのは、中国勢のブースだった。 中国の大手EVメーカー比亜迪(BYD)と長城汽車(GWM)の出展スペースは、トヨタ自動車と並んで最大規模。EVの新型車がずらりと並び、多くのタイ人が新型の「ATTO3」や「ORA Good Cat」などに見入った。 BYDの担当者は手応えを語る。「EV購入には政府から補助